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朝、昨日の月食のことが新聞にでていた。
なんと中秋の名月に皆既月食になるのはおよそ200年後だという。 そして本土ではみえなかったらしい。 台風が荒らしているから。 なんという奇跡。ここでは雲ひとつ見えない快晴の夜空だった。 しかし、なんだか200年後もまた見られるような気がしてしかたない。 また同じ人たちと。なんだかふつうにそう思うのだ。 それに私たちは200年後の月食も見た、ということも言える。 きっと200年後も月は同じようにあの浜辺でそっと欠けていくんだろう。 200年後だけじゃなく、もっと先の。 私たちは時を超えていた。 それは、たしかに永遠をみたのだ。 今日の午後で私たちは島を出る。石垣島で1泊して那覇へ船で行くことにした。
なんだか、さみしくってしかたない。
船が港についた。とうとうお別れ。
なんて素敵な人たちだったんだろう。こんな人たちがいるならまだ、大丈夫。 そして船は出発する。 わたしたちの旅は始まったばかりだった。
Fin.
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