沖縄は広い


進行中

沖縄は東京の人間が考えているより遥かに広い。確かに陸地は日本全体の1%足らず、 東京都と同じ位である。しかし、その範囲はどうだろう。沖縄県には沖縄地方(沖縄本 島など)、宮古地方(宮古島など)、八重山地方(石垣島、西表島など)の3つの地域 がある。これらの位置関係を本州に重ね合わせてみると実はちょうどそれぞれが東京、 名古屋、大阪と同じ位置にあることがわかる。だから東京と大阪の文化が違う様に沖縄 と八重山は文化的に結構違った点がある。

日本語の分類法によってもこの状況がよくわかる。日本語はまず大和言葉と琉球言葉に 分けられるという。そして、東北弁、関西弁といったものにあたるのが沖縄本島地方の 言葉、宮古地方の言葉、八重山の言葉となる。大阪弁、山形弁にあたるのはそれぞれの 地域の個々の島々の言葉という訳だ。

これだけ広いから天気だって地域によって全然違う。しかし、東京の天気予報では那覇 の天気はでても石垣の天気は全く無視されている。不思議な話だ。東京からみれば沖縄 は辺境だからだろうか。しかし、沖縄や八重山に来てみるとそこは決して辺境ではない ことがわかる。そこに感じられる混沌としたアジアの空気。豊かな文化。ここがかつて 別の国だったということが確かに感じられる。そしてアジアからみれば日本こそが辺境 なのだ。

いま日本のどこにいってもそこはミニ東京と化している。日本全体が均質でのっぺりと した感じになっている。そんななかで麻痺してしまったリアルな感覚や様々な異質なものの共存を受容する感覚が、沖縄にはまだ存在しているような気がするのは私だけだろうか。


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