*** ニュースとして、美容と健康に関して気になる最近の話題を取り上げ、解説します。***
(できる限り、科学的な視点、論理的な視点から解説を試みてみます。)
『今年の年賀状のテーマを「希望の発芽」としました。庭に幸福をよんでくれる7人の小人たちが、 元気に芽生えてきた生命を見守ってくれているという状況を写真にしました。私が、このサイトを 開いて3年半も経ちましたが、その間ずいぶんとビューティサイエンスの仲間が増えて来ました。 いや、これからも増え続けるでしょう。そして、私が今感じていることは、私たちが、きっと今年 何らかの活動を行うような予感がするのです。そして、その状態を、私は「希望の活動の発芽」と 名付けてみたのです。昨年の「美肌手帖」の出版は、その前触れだったと思っているのです。』
『そこで、今年はオフ会だけではなく、何かテーマを定めた勉強会も行ってみようとも思って います。幸いなことに、ビューティサイエンスの庭を通じてできた仲間には、様々な優れた才能を 持つ友人もたくさんといます。NPO(非営利活動)として、何らかの役に立てば良いと考えて いるのです。その時は、参加を呼びかけますので、是非、遠慮なく集まってきて欲しいと願って います。』
『もう一つ考えていることは、私が長年ビューティサイエンス活動の中で研究しているテーマに ついて、今年は何らかの決着を付けようとしていることです。決着とは、雑誌とか発表会とか 学会での研究活動の報告です。おぼろげにイメージしていることは、秋に開催される顔学会にて 「エイジングシミュレーション」についての技法の検討と、ビューティサイエンスへの応用で、 つまりスキンケアやメイクアップ、又、美容医療に対しての応用をも視野に入れて考えています。 これも、研究は、何らかの公的な発表の場において発表し、多くのディスカッションを得て 更なる完成と、活用の場の広がりがあってこそ生きるものと考えているからです。是非、その時は お知らせしますので、発表を期待してお待ちください。』
『ということで、今年の抱負を述べさせていただきましたが、今年も、「ビューティサイエンスの庭」に 集まってきて、ご意見をください。よろしくお願いいたします。』
『ニュース元は記憶に残っていなかったのですが、最近、蓑虫の姿を見なくなってきたと いう話題がありました。この件をネットで調べてみたのですが見つけられませんでした。 そういえば近くの公園でも見た記憶もないので、調べに行ってみたところ、残念ながら 一匹も見つけられなかったのです。先日、たまたま渋谷の公園で高い木の枝に1匹見つけた ので写真を撮っておきました。それほど見つけるのに苦労するのだろうかと心配になりました。 私は生物学が基礎なので、どうしてもこのようなことが気になるのです。推測ですが、何らかの 原因で、生態のバランスが壊れ、箕蛾(蓑虫の本体)が寄生蜂にでも襲われるケースが増えた のでしょうか?』
『この蓑虫の話題と、先日TVでやっていたコム・デ・ギャルソンのデザイナー川久保玲さんのドキュメントが
不思議に重なった時に、ふと思ったのです。何と言うことはないのですが、常に斬新な川久保さんの
ファッションが蓑虫のイメージに重なった訳ですが。そのドキュメント番組の中で「まだ美しいものは、
たくさんある」という川久保さんの発言がとても印象に残ったのです。私も、美容業界にいますが、美とは
何だろうか、法則があるのだろうか?という疑問は常にあります。そして、美しいという状態を常に追い求め
ているのですが、画一的なものでなく、もっと気がつかない美しさもたくさん有るのだろうと思っていたので、川久保
さんの言葉に引っかかったのでしょうか。』
『つまり、私の今仕事の中心である、化粧品の商品開発に限定してみても、美しい肌とは、美しいメイクとはと 追い続けているうちに、完璧な美しい肌を求め過ぎていないだろうかと、時々思うのです。肌の状態はとても 変化しています。特に、女性の場合は、生理に合わせても変化しますし、それにストレスや疲労、あるいは 生活の環境からも様々な影響を受けています。そんな中で、果たしていつもいい状態を保ち続けられることが 本当に可能なのだろうかと、思うわけです。100%の完全な状態ではなく70%を越える完全さであれば、 それはそれで、美しい状態かも知れないと思うわけです。』
『文部科学省が先日「科学技術に関する意識調査 2001年2〜3月調査」の概要を、ホームページで公開しました。それによると、日本人は科学技術に対する関心度、理解度が 国際的にとっても低いと言う結果でした。この結果は、十分に予測でき、全ての分野に共通している問題点で、教育から報道全てに 原因があるのではないかと思います。もちろん、今まで私がこのページで訴え続けている意味もここにあるのです。「何と美容科学にも 大いなる誤解の多いことか!」と驚くばかりです。この調査結果の中で、私が気づいた点に、科学技術の情報源という項目があります。 それによると、圧倒的にテレビのニュースから情報を入手していること(91%)。ついで、新聞記事(70%)、テレビのドキュメンタリー 番組(53%)、雑誌・週刊誌の記事(35%)となっているのです。もし、これらの情報源が正しい科学技術の情報を意識して流して いれば、結果として科学技術に対する理解度も高まるわけですが、そうなっていないのが現実です。しかも、調査結果では1991年度 に比べて低下しているということです。情報化社会が発達して来たというのに何たる惨憺な結果でしょう。』
『別に、情報源となっているテレビニュースや新聞記事を単に批判するわけではありませんが、ニュースが話題の面白い部分だけを
極端に見せているためや、そこでコメントをしている専門家が果たして本当に科学的な見解を述べる資格のある人か、そのあたりが
気になるのです。また、編集時間の関係で、テレビにはほとんど校正チェックが入らないようですが、短時間で伝えるために編集の
あり方も問題あるでしょう。でも、一番問題なのは情報を受け取る側の態度にあると私は思っています。つまり、ニュースや報道から
得られた情報を批判なしに簡単に受け入れてしまう点です。特に科学技術に対してはその傾向が強いように感じています。そこに、
コメンテーターとして博士や元教授という肩書きがついた人が言うと、鵜呑みにする傾向にあるのではないでしょうか。』
『美容科学に関して言えば、ニュースとか新聞記事ではあまり報道がされていないので、むしろ情報源としてはテレビのドキュメンタリー 番組が気になることです。また、ドキュメンタリー番組ではありませんがクイズ番組、科学的な謎解き番組などが情報源として考え られますが、これも時に気になる内容があったと感じたこともありました。その他のメディアとして、女性誌の美容特集記事も当然、美容 科学の情報源として重要な位置を占めるでしょう。テレビや雑誌の広告も含めて、これら全ての情報に関して、やはり鵜呑みにするのでは なく、「本当だろうか?」、「その根拠性は?」、「他の情報源ではどう言っている?」等と吟味をする必要性があるのではないでしょうか。 また、コメントをする方も、常に校正は気を付けること、万が一、間違って情報が流れた場合はどこかで訂正する方法を考えて出来る限り 早めに訂正コメントする必要性があると思います。そういう意味では、インターネットは便利なツールではないでしょうか。私のHPも そのような形で使われれば、また美容科学の情報源としてアップデートに対応できると思います。つまり、そのような形で「ビューティサイエンス の庭」が今年も進化し続けることが出来るように頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします。』
『今年に入って、気になる美容関係のニュースがありました。それは香りの効果でスリミングできたという 新聞ニュースでした。おそらく、皆さんも記憶されていると思いますが、世界で初めての理論を開発して、 実際に実験をして証明できたというものです。開発したメーカーは資生堂でニュースで発表された香りは グレープフルーツでした。詳しくは、 資生堂のHPで公開されていますので、参考に読んでください。 今回は、このニュースを科学的に 検証してみます。取り上げた理由は、本当に香りで簡単にやせるのだろうかという疑問が湧いたからです。 脂肪が貯まることやそれを燃焼して減らせることはたくさんの要因が関係していて、たった一つの要素で 意味のある効果が現れるのだろうかという疑問です。残念ながら、検証する対象は、HPで公開されている 情報のみでおこないますので、今後、より詳しい情報が発表されたら訂正もありえます。詳しくは3月26日から 28日に開催される日本薬学会の発表を聞かなくてはなりませんけど。』
『公開されている内容では、グレープフルーツなど特定の香りをかぐことにより交感神経を刺激して、ノルアドレナリン
というホルモンの分泌を促進させ、皮膚から吸収されたカフェインと相乗的に働いて、効果的に脂肪を分解、燃焼させて再び
脂肪となることを防ぐと言うことです。この理論的な構成は、確かに今までに化粧品メーカーが言ったことのない新しい考え方です。
さて、私が感じた疑問はここから生まれました。まず、交感神経を刺激することは別に香りをかぐことだけではなく、様々な
五感を刺激することでおこります。そして、何よりも交感神経と副交感神経は相互にコントロールしあってバランスを
とっているものです。果たして、特定の香りをかぐだけで、ノルアドレナリンだけが多く分泌され続けるのでしょうか? この
あたりから、この理論があまりにもスリミングの為だけに都合良くなりすぎてはいないないかということです。科学的に
考えると言うことは、このような反論もについてもしっかりと押さえる必要があるのです。この点については、後日、何らかの
考え方や実証データが判った場合に報告します。私が思う疑問は更にあって、たとえば生活の中では様々な匂いが存在して
いるのに、スリミング効果のある特定の香りだけの影響がどこまで効果を与え続けるのだろうか? 果たして、食事や運動の影響に
比べて、どちらが大きいのだろうか? そのあたりをきちんと効果検証の実験で押さえられているのだろうか? という、さまざまな
疑問です。香りをかぐことで痩せることが出来れば、こんなに楽なことはありません。このような事実をニュースとして公開するなら、
それなりの社会的な責任も生まれると思います。』
『ということで、実際に行われた20名の女性による1ヶ月の使用試験では、ウエストでは平均1.5cm減少、ヒップでは平均1.3cm 減少、体重では平均1.1kg減少した結果となっています。このまま試験結果を受け止めれば確かに香りによるスリミング効果は 検証されたと思えます。しかし、科学的には大きく問題があります。果たして、20名の被験者は食事の状態はどのようにコントロール されたか? また、運動は? その間の様々な体重に影響する要因をどのようにコントロールされたか? また、試験された季節とか 生理との関係とか、様々なコントロールすべき条件が不明です。また、結果は統計学的に見て有意な結果だったのだろうか? とにかく、 結果が出たから、それで良しとする考えもあるでしょう。でも、もう一つ大きな問題があります。通常、きちんと科学的に効果を証明する には、医学、薬学の世界では二重盲検という実験を行う必要があるのです。つまりこの場合に当てはめると、香りをかいだ20名の他に、 香りをかいでいない20名との比較をした上で、その差を見る必要があるのです。また、試験を計画した人も、試験をした人も、自分が どちらの実験群か判らないようにしないといけないのです。果たして、このようなことがきちんとされた上での検証なのかどうかは、 公開された情報だけでは良くわかりません。(話題48)でとりあげた科学技術認識の問題は、ニュースの解釈にも大きく関係するのです。 公開された情報をしっかりと科学的に考えることも、最終的には美容の為に本当に役立つ知識、商品、方法も選べるようになるのだと 思います。このようにサイエンスの重みは、ここにあると私は考えています。』
『世の中、ブロードバンド化がどんどん進み、そのうちインターネットで映画を見ることやTV・ラジオを見たり聞いたりする ことも当たり前になってくるのでしょう。と言うわけで、実はこの4月28日よりso−net サイトで放送しているインターネットで 聞けるネットラジオに出演することになりました。きっかけは、so−net 内の女性サイトである「カーラ・カリーナ」の番組 「カーラ・カリーナ ビューティクリニック」がスタートすることになり、その中で「Mr.岡部のきれいの不思議」という質問に 答えるコーナーと連動して毎週登場することになったのです。明るく健康でチャーミングなチジャさんと軽快(?)なトークを 展開しています。その他この番組では「カリーナ美容研究所」から話題の商品を使っての感想や口コミ美容情報について 取り上げています。番組のスタート後の反響もなかなか良いようで、番組をきっかけに私への質問も増えて来ています。 so−net のネットラジオを聞くなら番組表のアドレスから入ると便利 です。ちなみにこのラジオは毎日午後23時30分からのスタートで、「カーラ・カリーナ ビューティクリニック」が 放送されるのが月曜日の午後23時30分から24時までの30分です。もし聞き逃しても次週まできちんとバックアップ されていますから、いつでも一週間分の放送は聞くことが出来るのも便利です。』
『それがきっかけで始めてネットラジオを聞き始めたのです。すると現在のインターネット接続環境(56k)でも充分に良い
音質で聴けることに驚きました。so−net しか見ていませんが、番組の種類も多く生活に役立つものから頭をリフレッシュ
させてくれるものまで揃っています。美容関係ではメイクアップアーティストの藤原美智子さんの特別番組もあります。
月一度の更新ですが「きれいはとまらない」という藤原さんの公式サイトとの連動番組だそうです。生の藤原さんの声で
アドバイスが聴けるのは良いですね。あと、私が気に入っているのは「嘉門達夫のネットでごめん!」です。「あったらこわいの
コーナー」や「法則のコーナー」などの爆笑ネタは正に大脳から小脳までリフレッシュです。ネタの投稿は随時募集しているので
いつかチャレンジしてみようかなと思っています。このように思った以上に良い音質と番組内容、それにいつでも聞くことができる
便利さ、今後ももっと役立つ番組が増えていくものと思います。』
『この数年、いろいろな人から相談を受けている中で、特に目立って増えているのが、ニキビや アトピー、慢性的な肌荒れなどで良いお医者様を教えて欲しいという内容です。ただ単に治らない からだと言うだけでなく、どうやら頭ごなしに化粧行為を否定されることが絶えられないことが根底に あるようです。なぜ女性が化粧をするのかこの原点を否定されれば、たとえ皮膚の病気を治すため と言えども我慢できないこともあるのです。何か人間性まで否定されているような。また、話をしっかり 聞いてくれないので不安を感じるというケースも多いのです。確かに、評判の良い医療機関は 患者さんも多く、一人の患者さんに充分な時間を取れないという事情も判らない訳でも無いのですが。 と言うことで、今回は、このように困った時に参考となる医療機関のリストを作ることについて考えを まとめてみました。』
『私も仕事を通じて数多くの皮膚科、精神科、小児科、婦人科の先生方に会ったり、セミナー等で
講演を聴く機会がありました。その中で、化粧品に対して理解を示し、そして化粧品のことを正確に
知りたいという先生も増えているという実感を持っています。そして、その内の数名の先生方とは
定期的に情報交換をし続けています。正に、皮膚病の治療と日常の正しいスキンケアやメイク
アップについての注意をすることで、生活も暗くならず、治療もはかどるという相乗効果があると
聞いています。また、実際に診察と治療の現場を観察させてもらったこともあります。その時に
患者さんが診察の時、きちんと話を聞いてもらえ、現状と治療の目的や必要性を分かり易く
説明される過程で、患者さんの表情が明るくなるのをたくさん見ました。病気などで困った時には、
このような先生に診てもらいたいと思ったのです。その時に。』
『と言う訳で、女性が化粧をすることを理解でき、心理状態をよく把握して、診察や治療内容に
ついて分かり易く説明をしていただける医療機関のリストを作るにあたって、ご意見や、ご協力を
仰ぎたいと思っています。医療関係の方々で、もし、この主旨に賛同していただけるなら私に
メールで連絡をお願いいたします。(miyoharu@kt.rim.or.jp)
もちろん、反対意見や疑問点についても遠慮なくお寄せいただきたいと思います。また、
このリストを作るにあたって、患者さんからのご意見も反映できるような双方向性の情報交換が
できると良いと思っています。具体的なリストの形式や公開の方法については現在まだ構想中
なのです。考えをまとめるに当たってのご相談に載っていただける方がいらっしゃいましたたら、
是非メールにて、ご連絡をお願いいたします。』
『7月1日から5日までの期間、パリで国際皮膚科学会が開かれていました。今回は美容に関する 研究テーマも多く、世界各国ではどういう研究がなされているのか実際に発表と質疑応答の現場を 見たいと思い、出席してみました。会場はシャンゼリゼ大通りを通って凱旋門を突き抜け、更に進んだ 先にあるパレ・デ・コングレという国際会議場。1階が受付2階から3階が展示場と各会議室となって、 約2万人もの出席者だということでした。その内、日本からの出席者は250名だと聞きました。研究 発表会もたくさんのセッションに分かれていて美容に関係するテーマだけでも20位はありました。 聞きたいテーマも幾つか時間が重なってしまい、やむなくどちらかを選択することも多かったのです。 しかし、分厚いプログラムや抄録集とそれらを記録したCD−ROMが配布されましたので、思い 抄録集はパリに置き去りにしてきました。』
『さて、今回のテーマの中で、積極的に聞いてきたのは光加齢、加齢、保湿のメカニズム等の
研究発表会です。これらのテーマにも各国の皮膚科医や研究者が集まって、時には会場に
入りきれずに、部屋の外で待機する場面も数多く見受けられました。その為にちょっと早めに
部屋に入っておく必要もありました。それと、以外と部屋ので入りも激しく、関心のある発表が
終わると、別の部屋で行われている次の発表を聴くためか、さっさと出ていく人も多かった
のです。ちょっと、あわただしい感じもしました。ここのところ学会に行っていなかったので、
この雰囲気に慣れるのに2日はかかりました。後、3階と4階にはポスターセッションでの
発表があり、これまたものすごい研究発表の数でした。発表形式で約1700件、ポスター形式で
約2400件もの研究発表数でした。』
『それに付け加え、展示会場では医療機器、医薬品、化粧品、書籍などのメーカーが
ひしめき合うように派手なパフォーマンスを繰り返してアピールしていました。中でも、
化粧品分野ではご当地であるせいか、ロレアルグループと日本ではアベンヌウォーターで
知られているピエール・ファーブル社が広い面積を占めていました。日本の化粧品メーカー
では資生堂の展示が頑張っていました。ということで、研究発表会と展示会場で私の
仕事である商品開発とライフワークとも言える美容研究に関する多くのヒントが得られた
5日間の国際会議でした。そう、私の得たヒントとしてもっとも関心の高かったことは、
「幹細胞:ステムセル(stem cell)」でした。今回の発表で印象に残った美容関連の報告は
次回(2)以降に解りやすく説明をしていくつもりです。』
『パリで国際皮膚科学会が開かれてた中で今回は具体的に気になった研究報告について取り上げて みます。研究所で皮膚の安全性を研究していた時から感じていたのですが、皮膚の反応性が人種に よって大きく違う場合がある点です。この件について裏付けとなる発表がありました。ポスターによる 報告ですが、英語のタイトルは「Differences of skin irritation between japanese and german women」で、翻訳すると「日本女性とドイツ女性における皮膚刺激反応の違い」と いう内容です。日本とドイツの共同研究で荒巻さん他5名による研究報告です。 』
『実験方法は皮膚刺激性をみる指標としてよく使われている「SLS」という界面活性剤の0.25%、0.5%
水溶液と、AHAとしてよく使われている「乳酸」の10%水溶液を使った実験です。「SLS」はパッチテストと
いう24時間肌に試料を張り付けて反応をみる方法で行われました。その場合の皮膚の刺激反応は、水分
保持力など角質のバリヤー機能、皮脂分泌、炎症反応について観察されました。一方、「乳酸」の方は頬に
つけてその直後の反応を、肌の赤味や痛みなどの刺激感について観察されました。その結果は皮膚刺激の指標で
ある「SLS」は人種による差が見られなかったのですが、AHAである「乳酸」において、日本人の方が赤くなる
反応や痛みを感じる反応が敏感であることが証明されました。つまり、この結果から考えると、日本人は乳酸に
対する皮膚の反応性は痛みという刺激感を感じやすく、しかもつけると赤くなりやすいということです。』
『この実験結果は、ある意味納得のいくものです。10年前に始まったAHAブームで、日本人を始めとする
黄色人種はAHAによる皮膚クレームが多いという話を裏付ける内容なのです。また、AHAを用いたケミカル
ピーリングと呼ばれる美容医療処置も、反応が白人とは違って刺激が強く出やすいと言う話も理解できます。
ここではっきりさせなければいけないことは、このように皮膚の反応性は人種間で違うものもあるという事実で、
容易にヨーロッパやUSAで使われている化粧品を、そのまま日本人にも使うことは危険な場合があるという
ことです。このことは、一部の皮膚科医や化粧品研究者からは指摘されていたことですが、具体的な実験例も
なかったゆえ、化粧品使用者には正確にわかりやすく伝わっていなかったのです。ということは、海外の化粧品は
やはり日本人で安全性のテストが行われたものかどうかをチェックして使う方が安全だと言うことです。また、
逆に、日本人で大丈夫だった化粧品も他の人種では大丈夫かどうかのチェックが必要だと言うことです。
ただ、今後、人種間の皮膚反応の違いがもっと科学的に研究されれば、処方の上からかなりの精度で
安全かどうか推定できるわけですから、このような研究が体系的に行われる必要があるし、その結果が正しく
公開される必要があると思うわけです。』
『この夏、伊豆の天城山麓、湯が島町にある「かたつむり」という名前の森の手作り屋さんに行って来ました。 予想していた以上に素晴らしいお店でした。そのお店は全て地元の森から作られていると言っていいほどの こだわりで、自然木の美しさをそのまま活かしたログハウス、小枝やツタやハーブ、花草をつかったインテリアで 飾ってあり、それとマッチしているアンティークな家具や小道具が心を落ち着かせてくれます。そう、言いたかった ことは、なぜかこのお店にはいると懐かしくもあり、自分も自然の一部であることを感じて、安心とくつろぎに包まれて しまうのです。アイスティーやアイスハーブティーを注文すると、グラスに何とライ麦で作った長いストローが挿して あるのです。喫茶店でプラスチック製のストローで飲むのとは又違った雰囲気と味がします。野菜とハーブを ふんだんに使ったキーマ・カレーとピザもなかなかの味で、また食べたくなるほどです。と言うことで、皆さんに お伝えしたかったことは、自然を活かした生活を、つかの間のでも浸ってみると癒されるという体験が出来たこと です。そして、現実のマンションに戻ってきて、ベランダのハーブガーデンに自然の生命感を感じて、また 癒される効果を得たことです。思いっきり自然に浸れば、人工的な中のわずかな自然にも、自然の良さを 感じることが強まるという増幅効果があるのではないかという仮説を思いついたのです。』
『もちろん、このように自然が満喫できるお店や施設はたくさんあると思います。私も、かつてコホーテク彗星を
見に行くために泊まった八ヶ岳山麓の原村にあるペンションも、そういえばそうでした。山口県にある実家も
自然をかなり感じることが出来て、帰ると、必ず田圃や山道を歩き回ってしまいます。これは本能に近いもの
かも知れませんが、そうすると何か落ち着くのです。自然を感じるセンサーを磨いて感度を高める必要が
あるのではないでしょうか。その為に、ぜひお奨めしたいのが、自然にドップリと浸かる体験だと思ったのです。
山歩きも、森の散策も、あるいは田圃や川辺、海辺に出て、思いっきり深呼吸をして、足下の様々な
生物に気づくこと。それも、一つの方法かも知れません。出来ましたら、カメラでも持っていき、パチリと
撮ってみると、身近に自然を思い出せるイメージを置くことが出来、それも方法としてあるのでしょう。
まあ、それが、私の写真館のきっかけでもあったのですが。』
『とりとめのない文章になってしまいましたが、思いっきり自然に浸ってこそ感じる体験で得たことを述べて
みました。最近は癒しのブームですが、その中で、私は単に理論先行したり、或いは実体が良くわかっていないのに
「マイナスイオン」とかいうようなキーワードがむやみやたらと取り上げられることには疑問を感じています。
そのような家電を使うより、まずは自然に浸る体験をし、自然の力を感じるセンサーを増幅されることの
ほうが先決ではないでしょうか。このセンサーはトータルビューティにも重要な役割を持っていると私は
常々思っているのです。』
『ということで、この夏に行って来た「かたつむり」という森の手作り屋さんのHP
をリンクページに載せましたので、もし、伊豆方面に旅行する機会があれば訪れて見てください。また、皆さんの方から、
そのような自然を満喫できるお店や施設がありましたらご一報をいただけると幸いです。』
『よく耳にする言葉として、「元々自然界に無かった化学合成成分は環境にも、生体にもよくない」という 決まり文句です。確かにそのような理屈は納得できそうですが、今から20年前の公害論争をしていた 時期にはそうだった面が強かったかもしれませんが、現在では様子がかなり違っているのです。かつての 公害に対する反省として、環境に蓄積してそこに生きている多くの生物に影響を与える可能性のある化学 合成成分の使用に当たっては慎重になって来ているのは確かです。生活への便利性と環境破壊への 影響を常に考えて使われているのです。もちろん、完璧な体制かと言えばまだ不十分でしょうが、 少しずつではありますが良い方向に行っているのではないでしょうか。取り返しの付かない状況では ないと思います。』
『さて、話は化学合成成分と肌との関係について絞り込んで話しましょう。以前にも述べましたが、
天然成分と化学合成成分の肌への安全性は全くと言っていいほど関係はありません。天然成分にも
肌への刺激があるものも多いのは間違い有りません。有毒植物や毒を出す動物も数多くいて、
長い歴史の中で、私達はそれらの毒から避けることを学んでいます。でも、まだ未知の有毒な
天然成分もあることは間違いなく、今まで肌に使ったこと無い天然成分は、原料化に当たって
充分な成分分析と肌のみならず身体全体の毒性を十分チェックした上で使うようにしているのです。』
『そして、化学合成成分も全く同じプロセスでチェックされて原料化され、化粧品に配合されているので、
肌への安全性に差はないのです。ただ、有用性に対しては、天然の成分では実現できないような
利点があるものと、環境への影響は天然成分以上に考慮した上で使われています。化学合成成分の
利点としては、その他に高純度のものが得られやすいと言うことも事実としてあるのです。とは言え、
何が起こるか判らない自然界です。新たに危険性が指摘されたり、可能性が見つかったときは
早急な使用制限、使用中止がその危険性のレベルに応じて行われているのも忘れないで下さい。』
『ただ、何らかの理由で化学合成成分の使用に対して反対している人々の中には、このようなプロセスで
利用されている事実を知らないか、或いは無視しているのか、有害性を示唆する情報を拡大して
発表しているように思えます。天然成分にしても化学合成成分にしても、有用に活用するには「用法用量」
という原則があって、度を超えた使用は有害なことがあるのも事実なのですから。』
『今から4年前になるでしょうか、「海洋深層水」の化粧品への応用がブームになったのは。化粧品に 水は欠かせない重要な成分ですが、多くの場合は飲料水から様々なとけ込んでいる成分を取り除いた 「精製水」という水を使用しています。誤解をして欲しくないのですが、飲料水に溶けている成分は有害 ではなく、安心して飲めるように、清潔度を保ったり、或いは健康上問題ない程度の基準以下に含まれて いる成分です。ただし、化粧品の製造には、そのような微量の成分でも沈殿とか変色とか化粧品の 品質上、影響を起こすことがあるので「精製水」を使用します。』
『さて、今までにブームになったのは「海洋深層水」だけではなく、もっと古くには「π(パイ)ウォーター」
という神秘的な水や、「波動水」なる水が登場しています。また、美味しい水のブームや、その研究が
盛んだった頃には、水の分子がつくる結晶状の構造でクラスターと呼ばれるものの小さい水が、美味しい
水の条件であると言われていたこともありました。一応、これらの水については、私も、仕事柄、
突っ込んで調査研究をしました。その結果、これらの水について言われている様々な効果は、どうも
根拠が曖昧であることに気が付きました。特に、「π(パイ)ウォーター」や「波動水」については、微量の
イオン成分や特殊なエネルギーを受けた水分子が、記憶を持っていて、それが体内に入っても生体に
影響を及ぼすという、オカルト的な理論が支配しているのが疑問だったのです。現在の科学の世界では
水分子が記憶を持つことは証明されていないはずですし、分子自体にそういう余地もないのですから。』
『もし、このような水が大いなる効果を持つなら、現在もブームが続いているはずですが、昔よりも
お目にかかることが少なくなってきました。それに、水という物質は、とけ込む成分によって性質が
大いに変わる物です。塩を入れればショッパイし、酢を入れればスッパイし、砂糖を入れれば甘い水に
なるのですから、微量の成分で水自体の性質が支配される可能性は遙かに低いのです。特に、化粧品
に使われる場合は、水以外の成分の性質が強く影響する場合がほとんどでしょう。たとえ化粧水に
しても。私の見解では、「海洋深層水」の場合でも、塩分を取り除き、その他の保湿系成分が微量に残った
水というように資料から読みとれますので、そのまま使うなら、保湿成分をたっぷりと配合した
化粧水には効果的には負けてしまうのではないかと考えます。』
『いずれにしても、「水でも売ってしまう」したたかな業界ですので、今後も新たな水が登場するのは
大いに予測されます。と言うことで、これからも「水」のブームに注意していこうと思っているのです。』
『先日ようやっとブロードバンドを導入し、秒速4メガバイト以上というインターネットの世界を知ることになりました。 それまではダイヤルアップ接続、しかも通常回線という、秒速56キロバイトの世界でしたから、単純計算して約7倍の スピードアップとなりました。ところが、驚いたことに、インターネットの体感としては、それ以上のものでした。何が 一番違うかというと、ネットで配信されている動画は、家庭のTVかビデオ並みのレベルまで高画質化していたことです。 私の好きなジャンルである、ミュージック・ビデオがしっかりと視聴できるようになったのです。今までは、コマ送り動画で 切手サイズの画面が精一杯でしたが、きちんと大画面に拡大しても、スムーズな動画が楽しめます。今は、ストりーミング ・データで秒速300キロから1メガバイトが最大速ですが、きっと近い内に、4メガバイトの番組がインターネットで流される ようになるでしょう。そうなれば、もう、普通のTVやビデオを越えて、ハイビジョン並みの映像が楽しめます。』
『私は、以前、まだDVDが普及する前に、ビデオCDを利用した、化粧品専門店で使うビジュアルソフトの提案をしたことが
ありました。当時までは、店頭ではパソコンを利用して、パソコンのソフトを利用したビジュアルソフトが中心でした。しかし、
パソコンには操作性の煩雑さがあり、オペレーション・ソフトウエアもバージョンアップが激しく、すぐに陳腐化してしまう
問題がありました。それを解決するべく、パソコンから脱却したビジュアルシステムを考えて導入しました。ビジュアルソフトは
スキンケアの正しい方法と、メイクアップのコツを簡単に見ることが出来るものでした。後2年待てば、もっと大容量で、
画質の良いDVDの時代になるのは予測できていたのですが、早くこの提案をしたいと思っていたので、ビデオCDという
媒体を採用しました。時代的には中途半端だったので、ビデオCDは、ほとんど世の中に知られることなく、あっという間に
DVDの時代になりました。』
『化粧品専門店でお客様が化粧品の正しい使い方、お手入れの方法、メイクアップの方法を短時間で解り易くという
目的で提案したビジュアルソフトでした。本当はお客様が実際に使用する、家庭でも見ることが出来たら一番良いと
思っていました。そうです、ブロードバンドが今、急ピッチで普及しています。そのような時代では、家庭でも高画質の
美容に関する動画が利用できるのです。しかも、自分が見たい情報だけを選んで、好きなだけ。TV番組のように
時間枠にとらわれることなく、好きなときに好きなだけ。さて、私の予測ですが、間違いなく、このような美容に関する
動画が化粧品メーカーや化粧品専門店のHPからでも配信されて、もっときちんと家庭で技術を学べる時代は近いはず
です。』
『昨年の10月に発売された「美肌手帖」が増刷されることに決まりました。この手の本は、いわゆる流行の ベストセラー本とは違い、実用書的なものですから、じわじわと売れ続けてくれると嬉しい本です。内容的にも すぐに現実と合わなくなるものではなく、基礎的ななスキンケアの知識を書いたのですから。私もせっかく 本を出したのですから積極的に活用しています。美容に関するセミナーを開く時は「美肌手帖」をテキストとして 使っています。今更ながら感じるのですが、見開き2ページで一つのテーマが終わるように構成したのは 使いやすさの点では抜群に効果的です。それに、結論として、そのテーマの要点が格言のように書かれていて、 それを読めば記憶にインプットされるのです。だいたい、1時間のセミナーで3〜4テーマ取り扱えば、ちょうど よい感じです。もし、皆様の中でセミナーを開かれる時には利用してみて下さい。』
『今、私は「@cosme」と「カーラ・カリーナ」の2つの美容サイトで質問コーナーを担当しています。(その為、
「素朴な疑問」のページは、ここのところ更新はお休み状態ですが) 実は、これらのサイトの質問コーナーも
内容的には充実してきて、おそらくまとめてみると一冊の本になるほどだと思います。その内、体系化して
みようと思っています。少しずつの更新で貯めて来た内容も、あるところで見直すことも大事なことだと
思いました。このような美容に関する素朴な質問は、絶えず繰り返し湧いてくるものだと思います。しかし、
その質問が湧いたとき、タイミング良く答えが得られないことも往々にしてあるようです。その時にタイミング
良く答えが見つかるような本でも出来ると良いのかなと思っています。』
『それから、いま当サイトでは、あやきちさんが「kokoroのオアシス」、てぃがさんが「化粧師の徒然」、詩音さんが
「詩音の思い」などと更新が続いているコンテンツがあります。これらについても、そろそろもう一度読み直して、
まとめてみると、また何か発見できることがあるような気がします。「ビューティサイエンスの庭」も、来年2003年の
6月に5年経ちます。区切りの良い年なので、またオフ会などを企ててみようと思っています。その時のイベントとして、
サイトのゲストの方々に登場していただき、トークショーも良いかも知れないなと思うこの頃です。』
『11月15日に元メイクアップ・マガジン編集長の恩田紀子さんの「RETIREMENT PARTY」が開かれました。 そして新たに「オフィス・Onda」という事務所を開き、活動されることの発表でもありました。このパーティには 恩田さんゆかりの美容ジャーナリスト、化粧品会社、メイクアップアーティストなど多数の方々が集まりました。 まさに、日本を代表する方ばかりの豪華さでした。そして当の本人である恩田さんは、とても若々しい出で立ちで、 今までのお礼と今後の豊富を話されました。これからも益々、美容ジャーナリズムに取り組んで活動することの 意志をはっきりと表明されました。そして、そのことに多数の出席者から惜しみない拍手が送られました。』
『さて、今回この話を切りだしたのは、私が現在「ビューティサイエンティスト」として、多くのメディアに登場し
活動できている最初の機会を作っていただいたのは恩田さんのおかげだったからです。もう、20年近く前に
なりますが、私をメイクアップ・マガジンの特集記事で取材を受けたことが運命的なきっかけとなったのです。
忘れもしません、その内容は「女性の生理周期とスキンケア」というものです。それまでに、文献のみならず、
自分でもアンケート調査などを繰り返して生理周期と肌状態の変化をまとめていたので、その結果を話し、
スキンケアのあり方を取り上げてもらったものです。そして、記事のクレジットに私の名前を明記していただいた
のです。この取材を前後して、商品開発者の立場として新製品の説明を各雑誌社に行うことも行っていた
のですが、恩田さんからは多くの質問をされ、それに必死で答えていたのです。そのうちに、美容科学に
関する情報源としての信頼関係を得るようになって、恩田さんからの取材が多くの美容ジャーナリストに
指示されました。これがきっかけとなって現在も情報交換や取材を続けている美容ジャーナリストの方々も
多数いらっしゃるのです。』
『ということで、メイクアップ・マガジンには度々登場するようになりました。そのうち、私も美容科学を解りやすく
説明できるプロとしての自己啓発も考えて「ビューティサイエンティスト」という肩書きを作って、その肩書きで
取材もとのクレジットを入れてもらい、支持していただいたことが現在につながっていたのです。また、信頼も
あったのでしょうが、美容記事の企画で難題が生じると相談も受けるようになり、それを考えることによって活路を
見いだしたことも大いに今役立っています。今後も、きっと私に無理難題を相談されると思いますし、そのことを楽しみに
待っているわけです。そう、「ビューティサイエンティスト」になるとしたら、きっと、美容に関する質問や問い合わせ
を受け答え、それらの難題に答えるために、科学的な見地で研究し、解りやすく説明を繰り返すことが
その条件なのでないかと思います。そうすれば自然に「ビューティサイエンティスト」として認められるように
なるのではないでしょうか。』
『今回は今年最後の話題です。ちょっと深刻なテーマですが、考えようによっては生きている 以上は避けられない運命的なものです。私より5歳は若いでしょう、会社の仲間で20代の頃に 組合活動で知り合って以来、時たま会った時に楽しく立ち話をする仲でしたが、その彼が 1ヶ月ほど前に急死しました。死因はクモ膜下出血でした。その時に、今年の初夏、同い年で 高校時代の同期生がクモ膜下出血でやはり急死したことを思い出しました。なんと、偶然でしょうが、 死因は違うものの、高円宮様が運動中にお亡くなりになりました。47歳でした。40歳を越えると 成人病の世代に入り、死と距離が少しづつ近づいて来るものですが、ある日突然に来ることも あるわけです。』
『準備も無く、急に人生が止められたら、と思うと、何だか気が重く、暗くなってしまいます。
でも、私は本来、生命についての研究をライフワークと思い、楽しく魅力的な人生を送りたいと
美容科学もライフワークとしています。生命は誕生したら、必ず止まる時があります。それが生物の
運命なのです。止まったら、本人にとって、家族や知人にとっては辛い、辛い出来事でしょうが、
運命なのです。私は、父の死以来、いつか必ず生命の止まる時が来ることを忘れられなくなり
ました。だから逆に、年を重ねる毎に、時を重ねる毎に、より充実した生き方をする事のみに思いを
寄せるようにしています。好きな言葉の一つに「今日を生きよう」(原題:Let's Live For Today)という
のがあります。この題名の曲を日本では、テンプターズというバンドが歌っていました。世界的に
ヒットさせていたのは、USAのThe Grass Roots というバンドでした。(題名に思い入れを持って
いますので、歌詞とはあまり関係がないのですけど)』
『そう、今、私にとって、今日を目一杯生きる、仕事をする、遊ぶこと等が大事だと思っています。
今日があっての明日、明日は今日より充実した「今日」になるだろうかと、そう思って、また眠りに
つきます。このようなことを考える日が増えた今年でした。特に私と同じ世代で生命が止まった人々の
ことを思う度に。あと、数日で新年です。きっと、充実した「今日」を積み重ねて行けるでしょう。
皆様も、きっと素敵に充実した「今日」を重ねられることを願っております。 良い、新年を!』
『 追記:あらためて本年ご逝去された方々の、ご冥福を祈り、哀悼の意を表します。 』