Morten Qvenild との Susanna And The Magical Orchestra でも知られる Rune Grammofon レーベルを拠点に活動するノルウェーの女性歌手 Susanna Wallumröd のライブを観てきた。 もうすぐリリースされる新作 Flower Of Evil (Rune Grammofon, RCD2080, 2008, CD) と同じ編成で、新作からの曲を取り上げていた。 途中休憩無しでMCも控えめで淡々を曲を進めるアンコール1回を含む2時間弱。 guitar と drums のささやかな伴奏で、 自身で piano を弾きながら歌う、とても落ち着いたライブが楽しめた。
分散和音のように音数少くダウンテンポに piano を弾きながら Susanna Wallumrødが淡々と歌うのだが、CDで聴く印象よりも癖が少く、 特に声を伸ばすところなど澄んだ響きが楽しめた。 伴奏が guitar ではなく bass だったらぐっと落ち着いた感じになるのだろうが、 低音がスカッと抜けた所も、軽い浮遊感を感じさせたように思う。
伴奏の音数は少いのだが、 CDで聴くほどミニマルに感じられず存在感があったのは、 演奏するミュージシャンが見えるからだろうか。 Depthprod こと Helge Sten の guitar がどのように切り込んでくるのか、 PA engineer も連れて来るということでどのくらい音を弄るのか、 そこを楽しみにしていた。しかし、それは控えめ。 後半になるにつれて、Sten も曲の頭にディストーションがかった音を出したり、 スライドする音を聴かせたりもしたが、Susanna の歌を邪魔しない程度だった。
自分の好みからすると綺麗過ぎて、正直、もう一癖欲しいと感じる所もあった。 しかし、この不思議にリラックスできるライブも悪くないかもしれない。