戦前戦後に活躍した映画監督 小津 安二郎 の視覚的要素に着目した展覧会です。 作品中に使われた美術作品や、映画ポスターやセット図面やシナリオなどの映画関連の資料等、 さらに、小津自身よる色紙等の私的な資料も展示されていました。 『秋刀魚の味』セットの看板再現やセットイメージ (展示パネル) のような撮影可の アトラクション的な展示も。
そんな中では、「色彩と小津演出」と題された、 『お早よう』の自筆シナリオ、絵コンテ帖、撮影用シナリオの三点セットに興味を引かれました。 写る登場人物や撮影の向きから色分けして関係付けられているという。 こんな彩色で関連を視覚化して捉えて演出してたのか、と。 特に、撮影用シナリオの彩色はそのバーの長さもリズムを感じさせて、 こうやって映像のリズムを事前に設計していたのかと感心しました。
年末年始に神保町シアターの生誕110周年の特集上映で小津のサイレント映画をまとめて観て [関連レビュー 1, 2]、 さらにその後、家でDVDでも、さらに、フィルムセンターの特集上映 『よみがえる日本映画 vol.7 [松竹篇]』 で戦前松竹のトーキー映画をまとめて観続けている [関連レビュー1, 2, 3, 4, 5, 6, 7] だけに、タイムリーな企画ではあったのですが、 資料は戦後のものが中心で微妙にズレてしまった感もありました。