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Review: 人形劇団プーク 『りんごかもしれない』+『わにがまちにやってきた』 @ プーク人形劇場 (人形劇)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2021/02/14
プーク人形劇場
2021/02/14, 10:30-12:00.
『りんごかもしれない』
原作・美術デザイン: ヨシタケシンスケ
脚色: 西本 勝毅; 演出: 柴崎 喜彦.
美術造形: 坂上 浩士; 音楽: 庄子 智一; 照明: 芦辺 靖; 音響効果: 川名 武; 振付: 上田 亮; アニメーション制作: 株式会社エクラアニマル.
出演: 小原 美紗 (少年, りんご人, りんご星人), 山越 美和 (俳優A, りんご少年, 赤ちゃん怪じゅう, りんご人, りんご星人), 川尻 麻美夏 (俳優B, りんご, 赤ちゃんロボット, りんご人, りんご星人).
初演: 2020/03/14, プーク人形劇場.
『わにがまちにやってきた』
原作: K・チュコフスキー [Корней Чуковский]; 訳: 内田 莉莎子.
脚色: 安尾 芳明; 演出: 栗原 弘昌; 美術デザイン: 宮本 忠夫; 人形構造: 斉藤 英一; 音楽: 宮﨑 尚志; 編曲: 宮﨑 道; 音響効果: 古川 安志; 照明: 阿部 千賀子.
出演: 柴崎 喜彦 (ワニ, 子犬, 他), 山越 美和 (ワーニャ, 風船売り, アヒルの親子, 他), 原山 幸子 (おばあさん, 煙突掃除夫, 兵隊たち, 他), 川尻 麻美夏 (太った婦人, 警官, 女の子, アヒルの親子, 他), 小原 美紗 (子犬, 大学教授, 隊長, アヒルの親子, 他)
初演: 1985年 (『ワニさん街を行く』として)

絵本作家として知られる ヨシタケシンスケ ですが、2013年の絵本作家デビュー以前は、 「カブリモノ」シリーズ (1992-1997) のような不条理な被り物というかメカ様の立体造形を現代美術の文脈で制作しており、 そのアイデアスケッチが発展して絵本になったという感もありました [鑑賞メモ]。 そんなヨシタケシンスケと1929年設立の現代人形劇の劇団プークが2020年にコラボレーションして新作を作ったということを最近になって知り、遅ればせながら観てきました。

絵本デビュー作でもある原作『りんごかもしれない』 (2013) はストーリー展開がある物語絵本ではなく、 むしろリンゴをきっかけに少年が様々な妄想というか連想を繰り広げるような「発想絵本」です。 振付のクレジットがある程、出遣いという以上に人形遣い自身の所作も使った演出で、 そのイメージの連想さながらにリンゴからの連想が変容していく様を舞台化していました。 原作というだけでなく舞台の美術デザインもヨシタケシンスケが手がけているのですが、 絵本以前に立体造形の作家だっただけに、その美術のセンスと人形劇との相性は抜群です。 この作品単発で終わらせず、この路線でのヨシタケシンスケの活動に期待します。

『わにがまちにやってきた』は1985年初演 (2009年に新演出しているようですが) のレパートリー演目ということで、 『りんごかもしれない』と比べると出遣いながら比較的オーソドックスな演出に感じられましたが、 安定の面白さでした。