YPAM – 横浜国際舞台芸術ミーティング連携プログラムの 愛知県芸術劇場 × Dance Base Yokohama 共同製作 Performing Arts Selection 2024 のAプログラム2作品を、 Dance Base Yokohama (DaBY) の活動を垣間見る良い機会かと、観てきました。
中盤のクリノリン風のスカート枠を2人で取り合うかのようかの場面や、 敷かれた白い方形のシートの上に横になってペンで描き合う場面など、 後者は後方に大きく映像上映するなど、工夫していましたが、動きが細か過ぎて、そのニュアンスを感じるというには厳しいものがありました。 歌舞伎の性表現や歌舞伎に多く登場する女の幽霊に着想した作品とのことでしたが、そういったコンセプトが、例えばクリノリンのような道具や、 観客への幽霊を信じるかの問いかけや、子供時代に一度だけ幽霊を見たという記憶の独白が、どのように繋がるのか腑に落ちるようなこともありませんでした。 こぢんまりとした親密な空間で20〜30分程度の長さで上演されればばまた違ったかもしれませんが、空 間・時間を使いきれていない印象を受けました。
12人のダンサーによるナラティブな要素はほぼ無い抽象的なダンス作品です。 音楽の使い方も控えめで、そもそも無音での動きが多く、音楽を視覚的に表現するというより、動きによって視覚的な音楽を作り出すよう。 4〜5人のダンサーが絡みながらの動きがメインで、12人が舞台上に揃う時も全体で動くというより 4×3くらいの組み合わせが感じられることが多かったでしょうか。 ダンサーの動きもシャープで、その点は楽しめました。 しかし、そんな抽象度がそれなりに高い舞台だったせいか、衣装や動きにおけるジェンダーや、 大人数になった際の舞台正面に向いた、もしくは背を向けた方向性の強い動きの多用が、気になってしまいました。