座・高円寺の夏の親子向けプログラム 『世界をみよう!』 は サーカスやマイム、人形劇などの小規模ながら味わい深い作品を揃えていて、楽しみにしています [一昨年の鑑賞メモ]。 去年はスケジュールが合わず行かれませんでしたが、今年は、まずはA, Bプログラム2作品を観てきました。
デンマークを拠点に活動するカンパニーによる男女2人による、生演奏とライブペインティングのショーです。 生演奏の Claus Carlsen は soprano saxophone や bass clarinet、accordion、cuatroなどを持ち替え、 旋律で情景を描くようにではなく、むしろ Lisa Becker の動きに合わせて即興でフレーズを繰り出します。 一方の Lisa Becker は淡々とというより、少々デフォルメされたマイムと表情を交えつつ描きます。 描き方はざまざまで、小ぶりの白いボードを6つ六角に輪状にしてそこに描いたり、ロールの厚紙を伸ばしながらそこにパンチで小さな穴を空けたり、 ラストはフロアに伸ばした長い帯状に乗って大筆で描きもしました。 抽象的なストロークを基調としつつ、そこに動物や人物の絵を交えます。 音楽もペインティングも抽象度高めでシリアスにもできる所を、そこはかとなく可愛いらしい雰囲気に落とし込みます。 ウイッシュリストとしてロールの厚紙にパンチするところから、その厚紙に光を透かして星の川としてみせ、最後はその厚紙をオルゴールに読ませて音として響かせる、という流れが特に印象に残りました。
大道芸でも活動する日本のマイム2人組による、去年の演目の再演です。 大道芸というか野外での上演は今年の『ストレンジシード静岡』で観ましたが [鑑賞メモ]、劇場公演は初めてです。 ブラックボックスに黒い衝立2つ、グレーやベージュのシンプルな服装と小道具は小旗とロープ程度というミニマリスティックな舞台で、 2人組の山登り、お化け屋敷探検、船から落ちての海底でのドタバタを演じていきます。 最低限ながら効果的な照明使いなどの劇場ならではの演出も加え、野外よりもシュールで幻想的な舞台でした。 キャラクターや舞台設定は抽象化されていて見た目は違いますが、 そのドタバタの展開に Hanna-Barbera (Tom & Jerry, etc) や Tex Avery (Bugs Bunny, Duffy Duck, etc) など 20世紀半ばアメリカの Looney Tunes 界隈のカートゥーン・アニメーションを思い出させるものがあり、少々懐かしくもツボにハマりました。