2005年設立のアメリカ・シカゴの現代サーカス・カンパニー Aloft Circus Arts の来日公演です。 ステージの上での上演を客席から観るのではなく、テントの中で上演を観るというスタイルのでの公演です。 劇場以外のスペースでの上演を想定したスタイルのようで、初演時はカンパニーの拠点でもある築110年の教会で上演したようですが、今回の公演では劇場の舞台上にテントを立てての公演でした。
フライヤで観客の参加をうたっていたので期待していたのですが、 確かに薄い布で覆われたエアリアル用の櫓を立てる作業はもちろん、ポールの支持などに観客を使いましたが、大道芸などでよくあるレベルでした。 むしろ、櫓の足をそのままフレームとして使った狭いテントの中に約100人の観客を入れ、 その中でシルク・エアリアルや三段タワー・アクロバットはもちろんシルホイール、ジャグリング、フープなどのパフォーマンスをする、という所に面白さがありました。 観客とパフォーマーの距離が近いことによるスリルや、テント内という空間の作り出す没入感というより、 表情や息遣いに間近で触れることによる親密さや一体感が最も印象に残りました。
初演時は男性パフォーマー1名を含む7人のパフォーマーでの上演だったようですが、 今回の公演では男性パフォーマーが抜け、6人全員女性でした。 といっても、アクロバットのポーター役のガッチリした体型から、フライヤー向きの小柄な体型、ダンスも映えるすらっと長身の体型まで、多様さを感じるもの。 ポーターの体型のパフォーマーもエアリアルやダンスへ加わるなど、多様ながら一体となるようなパフォーマンスで、親密さや一体感を作り出していました。