2024年に収録された Ballet Nacional de España (スペイン国立バレエ団) の作品で、 以前に ARTE Concert やNHKプレミアムシアターで放送/配信されたのですが、当時はアンテナにかからず。 去年のNDT2日本公演 [鑑賞メモ] で上演された Folkå の Marcos Morau の振付ということで、再放送/配信で観てみました。
コロンビア出身でニューヨーク拠点で活動する写真家 Ruvén Afanador が フラメンコに関わるダンサー、ミュージシャン等の女性を撮った Mil Besos: 1000 Kisses (Rizzoli, 2009) と、 同じく男性を撮った Ángel Gitano: the Men of Flamenco (Rizzoli, 2014) という2つの写真集に着想した作品です。 それらはその生活をドキュメンタリー的に捉えた写真ではなく、 極端な構図や不自然なポーズや衣装を使い造形的な面白さを強調したコントラストの強い白黒の演出写真なのですが、 そのヴィジュアルイメージからダンスを展開します。 その音楽や動きはフラメンコをベースにしたもので、全体として大きな物語は感じさせず、写真集のようにスケッチを連ねていきます。 その一方で、密集での動きや引き攣り振動するような動きに Folkå で観たような Morau らしさも感じました。 写真作品に出てくるバルコニーなどの大道具もありましたが、フォトセッションで使うスタジオの照明等に着想した舞台美術を使い、 写真のイメージ通り衣装は黒、照明は白色光のみの色彩感を抑えて、そんな写真の世界をスタイリッシュにダンス作品化していました。
ちなみに、Ángel Gitano: the Men of Flamenco (Rizzoli, 2014) では Ballet Nacional de España の2019年に就任した現在の芸術監督でフラメンコ・ダンサー (Bailarín) でもある Rubén Olmo もモデルをしています。 これもこの作品が作られた縁でしょうか。 この Afanador では Rubén Olmo は終盤にソロを踊っています (5台のティンパニの前で踊る男性ダンサーです)。