オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンのコンテンポラリーサーサスのカンパニー Circa のパリ公演の配信です。 二幕構成で、第一幕はピアノ伴奏で歌われる Franz Schubert の歌曲 Schwanengesang と Winterreise からの歌、そして時々挟まれる Klara Lewis の電子音響が、 第二幕は2台のピアノで Igor Stravinsky: Le Sacre du Printemps が使われていました。 そんな音楽に合わせて10人のパフォーマーがタワーはもちろんコントーションや床体操的な動きを含むアクロバットを演技するのですが、 派手な技をみせるというより、不穏なイメージをスケッチ的に描いていきます。 エアリアルのようないかにもサーカスらしい技が無かったこともありますが、音楽生伴奏によるアクロバットの身体語彙を使ったコンテンポラリーダンスと言ってもいいような作品でした。
冒頭の場面でこそ空気で膨らませた透明な方形の透明なビニールの小部屋を使いましたが、 舞台装置はほとんど使わず照明のみのブラックボックスの舞台で、 アクロバットパフォーマーはストレッチデニムのパンツに白Tシャツ姿という簡素なもの。 第一幕の歌手はボロボロのコートにニット帽という冬の浮浪者のような服装で、 傷心で死を求めて彷徨う Winterreise の主人公を思わせます。 第二幕も前半までは第一幕同様の暗めの青みがかった照明で陰鬱さを感じさせますが、 終わり近くになると赤い照明も入って動きも激しくなりむしろ不吉で不穏な展開になります。 やはり、オリジナルの Le Sacre du Printemps のような最後に生贄が選ばれるようなエンディングかと思いきや、むしろ皆が倒れてしまうようなエンディングでした。
電子音響の Klara Lewis は主に Edition Mego レーベルからリリースしているミュージシャンです。 (あまり強調することでもないとは思いますが、自分にとっては Wire / Dome の Graham Lewis の娘という印象が強いのですが。) こんな舞台の随伴音楽の仕事もしているのか、と。 上演中に舞台上にはいませんでしたが、カーテンコールで出てきたので、電子音響も生演奏だったのかもしれません。