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PC処世術 - 雑感:マンマシン 入力I/F の緩やかな進歩


 先日インターネット界を徘徊していた時に、レーザー利用の光学式マウスというのが出ているらしいことを知った。製造元の解説によれば、レーザーの干渉によって生じる濃淡模様(所謂、スペックル・パターン)を捕らえることによって,LEDを光源とする場合よりもより微小な表面の凹凸であってもマウスの移動を検知できるということらしい。つまり、光沢のある表面で光学式マウスを動かしたときにも,「滑り」を生じることのないマウスができると言うものだ。
 マウスは今やキーボードと並び、人間とコンピュータを繋ぐ入力マンマシン・インターフェイスとして重要な地位を占めている。マウスにしてもキーボードにしてもその登場時から基本的な機能は殆ど変化していないのだが、その基本性能は少しずつだが進歩しているというニュースを知って筆者は少なからず安堵した。

 というのも、この重要なマンマシン・インターフェイスたるマウスやキーボードは、一方ではコストダウンが進んで安かろう悪かろうの製品が標準となりつつあり、もう一方では高機能と称してギミック満載の製品が跋扈しているかに見受けられたからだ。例えばキーボードの場合、B.T.O.などの激安系パソコンの付属品は前者のものが多く、メーカー製の高級(?)パソコンには後者のものが付属することが多い。
 キーボードやマウスなどは何でも良いと言えばそうなのだが、人と物理的に触れ合う製品だけに,自分に合うものを選びたいところだ。当サイトではCPUやHDDなどの賞味期限や命数を算出しているが、何れも所詮5年足らずの寿命なのである。これに対してキーボードやマウスなどは(一部のものを除いて)そう高価でないばかりか、結構長く同じ物を使いつづけることも現実的にありうるのであり、ケチったところでPC全体のコストパフォーマンスには殆ど響かない。むしろ、(肉体的・精神的な健康を保つためにも)少々値段が張ったとしても納得いくものを手にしたい、という類のデバイスだと筆者は思うのである。

 キータッチやマウスの操作感というのは個人の主観が大いに入るところで、絶対的な基準があるわけではない。また、操作感だけでなくスペース的な問題や,キーの配列,デザイン、そして自分自身の遍歴や慣れなども重要な選択のポイントになってくるだろう。好みの問題だと言えばそれまでである。キーボードやマウスについて,その特性や構造を詳細に研究しているサイトも多々あるようだ。
 例えば筆者の場合、16bit 時代に EPSON製の98互換機を多用していたことと関係すると思われるが、ラバードーム式のメンブレンスイッチを用いたキーボードのタッチが好みである。十分なストロークがありながらそれでいて押下げに余計な力が要らず,柔らかいクリック感と底突に剛性感があり、その上で徒らに甲高いカチャカチャ音がしないものが好きだ。またマウスに関してはデカ過ぎない・重過ぎない筐体とシンプルな形であって、押下げ操作力が軽快な範囲でクリック感があり、それでいてクリック後の反発力が弱すぎないものが好みだ。
 と、ここまで書くとまるでどっかの料理漫画のようになってしまった。勿論、元々の装置としての性能や品質は重要なことだと思うが、そこから先はやはり“好みの問題”なのだろう。

 ただ、一つ筆者が注意しているのは,使用に際して特別なソフト・ドライバが必要であったりしないか、という点だ。パソコン店などに行くと廉価なものから高価なものまで様々なキーボードやマウスが並んでいるが、高価なものには余計なソフトが付いてくる傾向があるように思う。
 こうしたソフトやドライバの類は、先進機能を使うための物であることが多いが、筆者の体験では不具合に当たることも少なくない。そしてその先進機能は、なんとかボタンとかメールボタンであったりする。
 このような、少なくとも筆者にとっては余計な機能の有無に惑わされることなく、自分に合うものを選択しよう、というのが筆者のスタンスである。(つまり、良いキーボードやマウスであってもギミックとソフトがついてくる場合には,インストールせずに普通のものとして使う、ということ)

何の変哲もないキーボードとマウス  そんな筆者にとって、冒頭に書いた「レーザー利用による高精度マウス」のニュースは,ギミックでない性能向上が今も尚続いているという吉報であった。ユーザーにとって直接触れ合う装置である マンマシン・インターフェース の進歩がこれからも(少しずつで良いので)続き、安物とギミック満載品だけに支配されないことを,筆者は祈るのである。

[追伸] なお、今回発表されたレーザー利用マウスは,直接的には筆者の好みにピッタリという訳ではなさそうだ。残念なことに、筆者にはコードレス・マウスは少し重く感じてしまうのだ。結局のところ筆者は写真の通り,キーボードにはミネベアのRT6652TWJP, マウスにはロジテックの光学式有線マウス、と何の変哲もないものを使用している。どちらも秀逸な作りのものだとは思うが、変哲がなさ過ぎてジャンク同然の価格で出回っていることもあるようだ。RT6652は先日 Used コーナーで 100yen ジャンクとして出ていた…。(5. Sep, 2004)

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