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PC購入ガイド(仮)

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1999-4-14 1st(仮開設・CPUまで)


最近ではど素人が「Celeron300Aなら最低500だよな」とか阿呆な事をほざく今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は300Aを450です(笑)

PCの主要コンポーネント(構成部品) とは

まずパソコンを構成する部品について一通り並べる。

さらには

なんてのも最近の必須事項でしょうか。以上は今時のパソコンとしては絶対的に必要だと思ってかまわない。

●ケース・電源

  まあ仮組みやパーツのテストなど特殊な事態をのぞいてはパソコンは箱の中にあるべきである。なぜならば箱に入っていることにより、各パーツは外部からの衝撃から守られ、人間は有害な電磁波からある程度守られるのである。また今時はケースに電源ユニットが付属した状態で売られていることがほとんどである。

  さてケースと電源はPC/AT互換機ではATとATXの2つに大別されるが後述するマザーボードにあわせて購入する必要がある。マザーボードがATXならケース・電源もATXをという具合である。

AT IBM PC/ATを真似た電源・ケースの形状 ネジ穴・キーボードコネクター・拡張バスの位置のみが決まっているだけ。
電源ケーブルは2つに分かれていて反対に差すと怖いことになる。(黒ケーブルが真ん中に寄るようにして挿す)
ATX インテルが提唱したATXフォームファクターに則った電源・ケース形状 ネジ穴・主要コネクター(PS/2キーボード・PS/2マウス・USB・COMポート・パラレルポート・必要ならオーディオ入出力)・拡張バスの位置のすべてが定義されている。CPUやメモリーの位置も大まかに指定されている。主要コネクターについては並び方が何種類かあるが大抵のケースには複数の「I/Oウインドー」とよばれるバックパネルが付属するので大丈夫・・・だと思う。

電源ケーブルは逆差しができないようになり、電源のOn/Offをソフト的(実際の制御はマザーボード側で行う)に管理できる。なお電源の強制切断は電源ボタンを5秒間押すだけである。

ATX電源には1.0・2.0・2.01・2.03の規格があり今なら2.01以降を絶対に買うべきである。

  さらにはATXから分化したMicroATXという規格のケースがあるが、これは拡張スロットが4本しかないし、1999年4月現在ではマザーボードの選択肢も少ないのであまりよい選択とはいえないが、コンパクトなパソコンを欲しい人は考えても良いだろう。

●マザーボード

  マザーボードはCPUやメモリー・各種拡張ボードを搭載し、フロッピーディスクドライブ(FDD)やIDE規格の機器を接続する為のインターフェイス(I/F)などが用意されている。場合によってはビデオカードやサウンドカード・LANカードの機能などを内包する物さえ存在する。パソコンのほとんどの機能はこのボードが司るためマザーボードまたはメインボードと呼ばれる。

  これもATとATXとに大別されるが、今、新規に買うのならばATXであろう。なお先に述べたようにATマザーならばATケース・電源、ATXマザーならばATXケース・電源の組み合わせというように、購入パーツを統一する必要がある。

  ちなみにマザーボードを買うときに型番の後ろに-WOAや-WOSという記述を見ることがあるがこれはそれぞれ「With Out Audio」「With Out SCSI」の略である。本来はAudio機能やSCSI機能を内蔵して制作されたボードからこれらの機能を省略した場合に用いられる。それらの機能を乗せていたボードを、リテール(Retal=単品小売り用パッケージ)販売にする際に廉価にするために「取り外した」ことを意味する。

●CPU/CPUファン

  CPUとは中央制御装置と訳されるように一般には制御機器本体を指す言葉であるが(NECではパソコン本体をCPUと呼称するくらいである)、パソコンでは一般的にパソコン本体の中の命令を処理する集積回路を封入したICチップ、またはそれを乗せた小型の電子基板を指す。(かなりの語弊があるがこの素人向け解説で文句を言う奴がいたら馬鹿であるので無視して良いだろう)

  CPUはi4004と呼ばれる日本ビジコン社の電子卓上レジスター用に開発された電卓ICが世界最初といわれており、今でもそれを開発・製造した米Intelは巨万の富を得ている。1999年現在、Intelはパソコンでのデファクトスタンダード(業界標準)であることは誰もが認める事であるため、IntelのCPUを選んでおけば間違いが無いともいえる。

  CPUファンはその名の通りCPUに取り付けるファンの事で、とかく熱くなりがちな最近のCPUを冷却(空冷方式)する役割を持っている。最近のCPUはこれがないと高熱で設計限界以上の温度になる可能性が高いので要注意だ。

メーカー 現在手に入る主な製品 ソケット 外部クロック
Intel(インテル) ペンティアム ツゥ
Pentium II Processor
Slot1 66(233〜333)
100(350〜)
セレロン
Celeron Processor
Slot1
Socket370
66
ジーオン
Pentium II Xeon Processor
Slot2  
ペンティアム スリー
Pentium III Processor(開発コードネーム=Katmai/カトマイ)
Slot1 100(450・500)
AMD(エイエムディー) ケーシックス ツゥ/ケーろく ツゥ
K6-2(K6-3Dというコードネームで呼ばれる場合も)
Socket7  
ケーシックススリー/ケーろくスリー
K6-III
SlotA  
ケーセブン/ケーなな
K-7(予定)
SlotA  
Cyrix(サイリックス) 6x86 (-PR???の表記はクロックではなくPentium???MHzと同等という意味)
6x86MX
M2
Socket7
基板直付け
など
 
IDT(アイディーティー) WinChip C6 Socket7  
RISE   Socket7  

※表中のSlot1/2は冬にIntelよりSC242/330と名称変更が行われた
Socket370は通称であり、PPGA・PPGA370などとも呼ばれる

  CPUの性能を決める要素は2つ、設計とクロック(CPUに配給される動作タイミング用のクロックの周波数)のみである。

  前者の「設計」が違えば性能も違う事は自ずと分かると思う。Windows95/98用パソコンでは主に386命令(i80386というCPUで使用できる命令)に毛の生えたような命令を処理するべく作られているが同じ命令を解釈する場合でも最近では使用される手法によって速い遅いが異なるし、複数の命令が前後の関係なく内部処理されたりするので一概には比較不能であるが全体的な傾向から実質的な性能を予測することは可能であろう。

  さて後者の動作クロックとは、極めて簡単にいえば1秒間に何回 命令を処理するために動けるかということである。全く同じ回路ならば動作クロックは速いに越したことはないが設計時の許容限界を超えてしまえば異常動作を引き起こしたり壊れたりするのは常識。そのため通常はメーカーの規定周波数で動かす。

 最近ではクロックは外部クロックと内部クロックに大別される。

 動作周波数は外部クロック(ベースクロック)と倍率で決定され、掛け合わせた物が内部クロック(CPUクロック)となる。ただし、CPUによっては「倍率固定」といって倍率に元ずく内部クロックを生成するための回路=逓倍回路が外見上1つの場合が多いので事実上、使える周波数は1つになる。

外部クロック × 倍率 内部周波数
100MHz × 5.0 500MHz
    ↑最近のIntelではここが固定

 そこで「クロックアップ」「オーバークロック」と呼ばれる行為を行いたい時は外部クロックを弄る必要があり、最近では外部クロックがいろいろと設定できるマザーボードに人気が集まっている。もちろん幾ら外部クロックが高く設定できてもCPUや周辺の装置が追従できなければ意味がないので、マージン(許容誤差)の高いCPUがさらに重宝される結果となる。

内部クロックを上げる努力

  CPUへの命令は基本的に「0か1か」の集まりで、動作周波数が高くなると0/1を識別する為に必要な電圧の山と谷の差がハッキリしなくなり、やがて識別できなくなる。このため、動作周波数を上げる為には、CPUへの電圧(コア電圧)を上げる事が有効とされている。絶対的な電圧が高くなるので、山と谷の差もそれ伴い大きくなり、ある程度は追随性能を伸ばすことができる事はお分かり頂けると思う。この方法はかなり有効で、AMDのK6-IIIが当初の2.3vから製品では2.4vに変更されたときには、当初の2.3vでは設計通りに動作しなかったためメーカーがオーバークロックしたとの勝手な憶測が飛んだほどだ。(←素人の邪推であり、現実ではないと思いたい(笑)) しかし、こうすると発熱も大きくなり、発熱による断線など故障・誤動作の危険も高まる。

(Pentium2においてはL2への電圧も動作クロックに影響します。)

  そこで、製造プロセスルール(回路の線幅)を細かくする事で、従来なら識別できなかった電圧でも0/1を識別できるようにと開発が進んでいく。そしてルールを細かくすることで、より低い電圧で動作させる事が可能となり、発熱も押さえる事が可能になる。1999年2月現在では製品レベルでは0.25μm、研究(試作)レベルでは0.18μmまでルールを細かくしている。

  また、8086などのCPUはCISCと呼ばれるプログラミングがしやすく高度な処理を1命令で行えるというCPUだが、Pentium2などの近年の製品では内部処理をRISC化している。概念的には従来のCISC命令を内部でRISC命令に翻訳してからRISCエンジンに渡し、複数のパイプラインで処理を行っているのだ。

  これはCISC(Complex Instruction Set Computing/1命令が複雑な処理から構成されている命令を処理する方式)では1命令が複雑なためにクロックを上げにくいのに対し、RISC(Reduced Instruction Set Computing/より少なく簡素な命令群のみを搭載することにより回路の簡素化を図る方式。また近年では更に同時に複数のパイプラインで処理させる事により、全体の処理能力を上げている。)は1命令が簡素化されているので、パイプラインを深くしたり動作クロックを上げ易いという特性を、互換性を維持しつつ導入する試みだ。

  さらには各トランジスタ間の配線を従来のアルミから、より伝導率の高い銅に変えることで、より高クロックを追求する動きが出ている。IBMでは一部銅配線を使用したCPUを1998年9月より出荷を開始したが、他社でも追従する動きがある。ただしインテルでは今のところアルミ配線でも十分に高速化が可能としている。


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