Copyright(c)AOTAKA 1995-2003 - www.aotaka.jp |
パソコン税制(パソコン減税)とは「特定情報通信機器の即時償却制度」といい、平成11年4月1日より平成12年3月31日までの1年間に対象となる設備を取得し、事業の用に供した、取得金額(100万円未満)を償却費として即座に損金算入(必要経費処理)できるというものです。
つまりは100万円未満のパソコン一式を初年度に全額、償却が可能とする制度です。
|
|
この設備及び機器については、本体のみならず、周辺装置までを含めて考えることができます。つまりはパソコン本体と一緒に取得したプリンターなどの付属装置についても、合計金額が100万円未満ならば「パソコン税制」が適用できるのです。
ただし、付属装置だけを購入した場合には「パソコン減税」は適用されません。あくまでも本体と共に購入して適用されます。
※取得価格が10万円未満であれば、少額減価償却資産として即時損金算入(必要経費処理)が可能ですが、それは「プリンターが故障したので買い換えた」とか「プリンターが必要になったので買い足した」というように、その付属装置だけを単独で購入する必然性がある場合のみに限られます。
|
――という条件を満たしていなければなりません。例えば期間ギリギリの平成12年3月31日に購入はしたものの、事業用途で使い始めたのは4月1日だったという場合は適用されません。思い立ったが吉日、早めに対応しておいた方が失敗がないでしょう。さらには
という規定もあるので注意しましょう。なお、新品または新古品(中古品は含まず)にのみ適用ですので中古品は除かれます。
LAN(ローカルエリアネットワーク)設備については、その全体を一つの減価償却資産として判定します。つまり、この「パソコン税制」を適用する場合には、導入するLAN設備を設置するために支出した金が全体で100万円未満かを判定します。100万円から当該本体装置の取得価額を控除した残額に満たない範囲内で、当該法人の選択により、当該附属装置の一部について本制度を適用することができることとされています。(国税庁⇒FAQ5434-9)
よってLAN設備では、各部位を適当に分割し、パソコンの方へ巧く組み込んでしまえば全部をパソコン税制で償却することができるようです。
付属装置とセット購入する場合は、パソコン等で取得価格100万円未満という金額は本体価格だけで判定されます。付属装置はあくまでも「機器単体」で「本体+付属装置」が100万円未満である限りはいくつでも適用対象とできます。
|
例の2の場合、PC本体とプリンターで95万円ですが、MOドライブまで入れると100万円を超えてしまいますのでMOドライブは適応外になってしまいます。この際には、10万円以下の品物でも 少額減価償却資産とはならず、即時損金算入(必要経費処理)ができませんので、MOドライブは「電子計算機」として6年の耐用年数により償却しなければなりません。
取得価額 | パソコン等の 即時償却制度 (セット) |
中小企業 投資促進税制 (総額) |
少額減価 償却資産制度 |
一括償却資産 制度 |
通常の 減価償却資産 制度 |
10万円未満 | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ |
20万円未満 | ◎ | × | × | ◎ | ◎ |
100万円未満 | ◎ | × | × | × | ◎ |
100万円以上 | × | ◎ | × | × | ◎ |
対象資産 | 100万円未満の器具備品 (別項参照) |
一設備または同一種類の 複数設備の合計が100万円以上 |
10万円未満の 減価償却資産 |
20万円未満の 減価償却資産 |
減価償却資産 |
対象法人 | 青色申告書を提出する法人 | 青色申告書を提出する 中小企業者等 |
内国法人 | 内国法人 | 内国法人 |
適用時期 | 平成11年4月1日から 平成12年3月31日までの 間に取得し 事業の用に供した資産 |
平成10年6月1日から 平成12年5月31日までの 間に取得し事業の用に供した資産 |
− | ||
償却年数 | 1年間または法定耐用年数 | 法定耐用年数(月数按分あり) | 1年間 | 3年間(月数按分なし) | 法定耐用年数(月数按分あり) |
残存価額 | 無しまたは5% | 5% | 無し | 無し | 5% |
除却処理 | できる (準備金方式) |
できる | − | できない | できる |
個別管理 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 | 必要 |
償却資産 税の課税 |
有り | 有り | 無 | 無 | 有り |
パソコン減税は「景気浮揚」や「西暦2000年問題解決」の一環として既存の税制以上に利用しやすくなっています。この機会に事業の効率化のためにも、古くて遅くなったパソコンをまとめて買い換えてみるのも良いかもしれませんね。