ビギナーズコラムについて

− インターネットで友達を作るために −


 インターネットを始めるとまずホームページを眺めたり、知り合いに電子メールを送るなどしてその楽しみを味わいます。慣れてくるにつれ、次はたくさんの人とコミュニケーションをして、人の輪を広げてみたくなります。中にも電子メールでもっと楽しい使い方をしてみたい人もいるはずです。そんな折にふと「メーリングリスト」または、「メーリス」という新しい使い方を見つけ出すでしょう。自分の趣味や職業と関連した話題が電子メールで読めるだけでなく、自分も話に参加できるとばかり思わず登録したという人はたくさんいるでしょう。ところが、すぐさまメールを出したところ、予想とは大きく反し矢のような叱責をどこからともなく浴びせられ、期待とは裏腹に人のもつ冷淡さをかいま見てしまったという人も少なからずいらっしゃると思います。中にはインターネットって何て不親切なんだというマイナスの意識を植えつけてしまった人さえいるのではないでしょうか。
 こういったケースは決して珍しくなく、意外と自分にその原因があることが多いのです。特にパソコン初心者やインターネット駆け出しの人が、知らずしてやってしまったために生じるささいな出来事によるものがあります。インターネット上で、不特定多数の人とコミュニケーションをするときに起きるトラブルの発端としては
  1. メールソフトの設定ミスなどシステム面における不備。
  2. 見知らぬ人と接する際の礼儀や振舞いなど、人との関わりにおける基本姿勢の欠如。
  3. 作文能力の不足と文章表現からくる意志伝達の誤解。
  4. ネットワークは大勢の人が利用しているという認識の甘さ。
といったものがあります。ネットワークは自分だけが利用しているのではなく共用して使っているのだという意識を実感していなかったり、自分の考えは常に世間一般の模範で意に反するものは間違っているといった人の価値観や認識の多様性を理解せず、独り善がりに意見を述べるような振舞いを最初はしてしまいがちです。

 メーリングリストはホームページを見るような受け身の活用と異なり、メールを出して参加するといった能動的な活用となります。それは、目に見えない人を相手にやり取りをするのです。議論や意見交換といったときは相手の気持ちを考えて行動しなければならず、すべてそれを文字で表現しなければなりません。私たちは学校で作文を書くという機会がきわめて少ないために、物を書くという経験が乏しく、また自己紹介など自己表現を体得する機会すらほとんどもっていません。そのため、自分が言わんとする主張を相手に伝えるよう整理し、文章にしたためる能力が不足しています。そのせいか、ネットワーク上で知らない人とのやり取りをすると、思わぬ誤解から相手を傷つけたり、不愉快な思いをさせてしまうことが多く、その光景をメーリングリストではもろに見てしまうことが多いのです。

 ビギナーズコラムでは、人とのコミュニケーションがもっとも身近なメーリングリストにおいて実際に参加するときに心得ておきたいエチケットを、特定の項目にスポットをあてながら解説していきます。これらはネットワーク独特のものもあれば、つい忘れがちな人との接し方についてのマナーなど幅広く取り上げてまいります。初心者にターゲットを当てて話を進めていきますので、どうぞ片意地張らずにお読みいただければ幸いです。


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