ワープロ文書作成に慣れている人は要チェック

メールとワープロ文書ここが違う

ー どのパソコンでも読めるメールを作ろう ー

 オフィスなどで日頃パソコンとワープロソフトを使って文書作成をされている方は大勢いらっしゃると思います。メールを使って業務連絡や顧客との応対に電子メールを利用するのは毎日欠かせない仕事です。ところが、外部の人とメールのやりとりをしていると、なぜか自分が送ったメールに対して「内容が読めない」、「特殊な形式でメールが送られてきた」などのクレームを受け、その意味がわからず困惑してしまいます。
 インターネット初心者にとっては、ワープロで作成できるようなレイアウトの文書がそのままファックスと同様相手にも送れるものと思いがちです。そのため、メーリングリストに参加すると、読めない文字を含んだメールを出したり、インターネット上で問題となっているHTML形式の膨大なサイズのメールを流してはどこからともなくお叱りの声が上がるという光景が後を絶ちません。
 そこで、ここではメーリングリストだけでなく見知らぬ人にメールを送るときにも大切な電子メールで扱う文書の注意点について説明いたします。今までワープロに慣れ親しんでいる方は、ぜひ参考にしてください。

電子メールの文書とワープロ文書の違い

 ワープロで作成する文書は、文字の大きさを変えてインパクトをつけたり、アンダーラインや、時には色をつけたりなど見栄えのよいレイアウトを構成します。ところが、この感覚で電子メールを送ると予想もしないクレームを受けるのです。電子メールは単調な文字だけ扱うところがワープロ文書と大きく異なる点です。
 電子メールを送る際、メールソフトを使って(ワープロソフトではありません)以下のようなメールを作成したとします。


 特定のソフトを使うとこのようなレイアウトのメールを作成して相手に送ることが可能です。特に、メールソフトでその機能が画面についていると、つい使ってしまいがちです。しかし、ここで一歩踏みとどまっていただきたいのです。実は、上記のような装飾をつけたメールは一般的ではないのです。通常、見ず知らずの人にはこのようなメールを送らないようにしなければなりません。送った相手は必ずしも自分が意図するようなレイアウトで正常に読めてはいないのです。

 メールの送信形式として「HTML形式」と呼ばれるものがあり、彩り豊かなメールが送られてくるのはこの形式です。しかし、こういったレイアウトが正しく表示されるには同じメールソフトか、あるいはその形式の読めるメールソフトを使わなければなりません。もし、HTML形式を読めないメールソフトを使っている人の場合、たとえば本文がほんの数行しかないメールでも実際は何行にもわたる大きなものとなり、画面上には左図のように表示されます。

 このように、本文の後ろに目障りなコードの羅列がぎっしりと詰まっているものを見せてしまい、本文よりもはるかに大きいため極めて目障りです。これを不特定多数の人が集まるメーリングリストへ送るとそれこそ大勢の人に読みにくいメールを送りつける結果になります。メーリングリストに参加している人の使用しているメールソフトは千差万別で、自分と同じソフトを使っているとは限りません。そのような見ず知らずの人の集まるところへ送信するメールは、色やレイアウトをつけるのは最も敬遠されています。もちろん、はじめての人に送る通常の電子メールでも同様です。

 繰り返しになりますが

見知らぬ人へは色や文字を変えたメールは出さない。

これを忘れないように心がけるようにします。上記の文例では


のように、電子メールでの文書は大きさや色の変化のない単純に文字だけの文書として(これをテキスト形式いいます)相手に送るようにします。特にことわりがない限り、メーリングリストへは文字以外の飾りをつけたメールは出さないようにします。

 なお、マイクロソフトのメールソフト(OutlookExpressやMS-InternetMailなど)をお使いの方は「HTML形式」が出荷時に設定されています。そのため、必ず使用前に設定を「テキスト形式」に切り替えなければなりません。この設定を直しておかないと、メーリングリストで「矢のようなお叱り」の元となりますので、使用されている方は早めに対処しておくことををおすすめします。設定方法をまとめたページがありますので参考にしてみてください。

機種依存文字にご注意!

 ワープロに慣れ親しんでいる人にとっては無意識のうちに使ってしまうときがあります。パソコンで扱う文字はすべてコード番号(漢字コード)が割り当てられており、どのパソコンでも共通になっていますが、一部の文字や記号はパソコンの機種特有となっているものがあり、別のパソコンでその文字を表示させようとすると違う文字になったり表示されません。こういう文字を機種依存文字と言います。
 機種依存文字の代表的なものが丸つき数字で、箇条書きをする際によく使います。しかし、残念なことにこれは全パソコン共通ではないのでメールでは使わないようにしています。最も危険なのは「半角カタカナ」という通常のカタカナ文字の半分の大きさの文字があります。パソコン通信などでよく使われる文字です。(注:「シャ」、「シュ」、「ショ」などの「ャ」、「ュ」、「ョ」のことではありません。)メールソフトの中には半角カタカナを読み込んでしまうと誤動作を生じるものがあるので、特に使わないよう心がけています。ほかによくありがちなのはローマ数字で、IIやIVを一文字で書ける文字です。これはアルファベットのI, V, Xを組み合わせて作ります。
 こういった電子メールを送る際に使ってよい文字、悪い文字をまとめたページがありますので、ぜひ参考にしてみてください。

各行に改行を入れる

 ワープロ文書では段落が変わるまで改行を入れずに文字を入力し続けますが、電子メールの場合、各行に改行を入れるようにします。これは、パソコン通信を利用している人は1行(40文字程度)ごとに自動的に改行が入るため、引用文を用いたときなどは大変読みにくいものになってしまうためです。
 メールを送る際は、1行を35文字程度にして必ず改行をつけるようにします。ここがワープロと大きく異なる文書構成となりますので、ぜひ心得ておくようにするのが望ましいです。

 「知らなかった」ということが多かったかもしれません。といよりも、いざ使っていて実感したという内容の方が多いと思います。“紙”とは異なり、“電子式”に物事を伝達する手段にはこういった細かい制約があることをぜひこの機会に知っておいてください。


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