(例1−2−3は、第1章2ページ3コマ目をあらわす)
サンドマン4巻
4−2−2
ジェフリー
ジェフリー・チョーサー(Geoffrey Chaucer 1340-1400)14世紀のイギリスの詩人で「カンタベリー物語」が有名。「英詩の父」といわれる。初めフランス中世詩に、後、ダンテやボッカチオに学びながら独自の詩風を確立。英語、フランス語、ラテン語の三カ国語に堪能。
4−2−2
農夫ピアズ
ウィリアム・ラングランド(William Langland 1330?-1400?)の宗教寓意詩の大傑作作品。作者がモールヴァーンの丘の上で見た夢の話で、天国や地獄、この世界の人々の物語がキリスト教を軸に展開されます。作者の手による3バージョンが少なくとも確認されています。当時かなり人気があったらしく、多くの写本があります。
4−3−4
さまよえるユダヤ人
ヨーロッパに伝わる伝説で、イエス・キリストが磔刑になる時、一人のユダヤ人が十字架を背負って歩くイエスを侮辱した。彼はその罪で永遠に放浪することになる。という話ですが、侮辱の仕方や、キリストが再臨する時に救われる等、様々なバリエーションがあります。
4−9−3
キット
マーロウのこと→2巻詳解へ
4−11−4
わたしは少年がいい−角を生やした”女優”たちが
当時の劇団は女優は1人もおらず、変声期前の美形の少年が演じるのが通例でした。
4−11−5
ウィル
ウィリアム・シェークスピア(William
Shakespeare 1564-1616)イギリスの劇作家。四大悲劇(ハムレット、オセロ、リア王、マクベス)の他、多数の作品があります。ストーリーといい、機知に富んだ会話といい、英国史上ナンバーワンといってもいい作家です。
1582年に8歳年上のアン・ハサウェイと結婚。翌年に長女スザンナが、その2年後に双子の兄妹ハムネット(長男)、ジュディス(次女)が生まれています。
4−19−2
一世紀に一度、悪魔とさまよえるユダヤ人が出会う
実は前出の「さまよえるユダヤ人」の伝説には、反ユダヤ人意識が深く流れています。
4−21−2
一瞬ジャックが来たのかと思ったわよ!
1888年ロンドンで売春婦連続殺人事件が発生。その犯行手口から、切り裂きジャック(Jack the Ripper)と呼ばれた。
4−22−5
気狂いヘティ
1巻3−4−6に初出。マッド・ヘティ
5−31−4
わがままな大男
ネイサンの夢はワイルド(英)の「わがままな大男」が元ネタです。自分の庭で、よその子供たちが遊ぶのを禁じた大男のお話です。
6−6−下段
ゼルダの夢
夢の中でのゼルダの格好はアリスそのものです。
ジョン・テニエル画「鏡の国のアリス」より(1871年)
ちなみに双子はトゥイードルダム、トゥイードルディーという名前。1巻1−3−1でエリーの母親はこの双子が出てくる部分のお話を読んでいます。
6−23−9
「だけどそれは別の国で起きたことだし、おまけに娘っ子はもう死んでる」
これもマーロウからで、「マルタ島のユダヤ人」第4幕第1場からの引用です。そこでは姦通罪について問われています。