Back to IndexColmun TopHome
JOJO広重連載コラム
こころの歌・最後の歌
第92回
ホークウインド
推薦盤「SPACE RITUAL」


  ホークウインドはなかなか評価の難しいバンドである。1969年結成、もうすぐ40周年を迎えるこの英国のバンドは、サイケデリック、プログレッシブ、ポップロック、ハードロック、スペースロックとそのサウンドスタイルを変えながら今も活動を続けている。そして多数のオリジナルアルバムに加え、多種多様な編集盤、同じ音源のジャケット違い、ブートレッグまがい&ブートレッグが多数発売されているため、初心者がどれから聞いていいのかわからない、そして数枚聞いただけでは全体像がつかめない、さらにまともに日本盤が発売されない、雑誌にもほとんど紹介されない...などの環境のため、なかなか語るに語り切れないバンドなのである。

  例えばこんなに紙ジャケ全盛期の日本で、どうして代表作すら紙ジャケ再発されないのか....。つまりは発売しても売れない、もしくは売りにくいという事情があるのだろう。

  簡単に紹介するなら、とりあえずホークウインドを理解するには以下のアルバムを聞けば良い。

  1)「HAWKWIND」(邦題:ホークウインド)
  2)「IN SEARCH OF SPACE」(邦題:宇宙の探求)
  3)「DOREMI FASOL LATIDO」(邦題:ドレミファソラシド)
  4)「SPACE RITUAL」(邦題:宇宙の祭典)
  5)「HALL OF THE MOUNTAIN GRILL」(邦題:永劫の宮殿)
  6)「WARRIOR ON THE EDGE OF TIME」(邦題:絶体絶命)

  「HAWKWIND」「IN SEARCH OF SPACE」がサイケ、「HALL OF THE MOUNTAIN GRILL」「WARRIOR ON THE EDGE OF TIME」がプログレ色が強く、中間の「DOREMI FASOL LATIDO」がその後数十年にわたるホークウインド・サウンドを確立したスペーシー・サイケデリック・プログレッシブ・ロック・アルバムで、それをライブでさらに拡大したものが「SPACE RITUAL」である。

   私個人にとって、70年代後半の音楽リスニング生活において、この「SPACE RITUAL」は常にフェイバリットのNo.1だった。朝起床して、夜寝るまで、当時2枚組のこのLPを4面ぶっ通しで繰り返し繰り返し聞いた日もあった。

  極端に言えば、ロックもサイケもプログレも、この「SPACE RITUAL」が極致である。そしてサイケやプログレや、トリップとか電子音楽とか、スペーシーだの意識の覚醒だのと、音楽のなにかを追求すると、必ずこのホークウインドの「SPACE RITUAL」にぶちあたり、たどり着く。そう、ロックで理屈をこねるヤツは絶対に避けられないアルバムだ。そしてたいがいは、このアルバムに誰も勝てない。

  演奏自体はリズムやボーカルがよれたり、後年出た同じ時期の音源のほうが音が良かったり、未だにこのアルバムの日本盤CDは1度も発売になっていなかったりするが、それでもこのアルバムの秀逸さに何の影もない。


  ストレンジデイズでホークウインドの完全特集号が発売、マーキーかアルカンジェロから公式アルバムだけでも紙ジャケットオリジナルに忠実な再発、もちろんディスクユニオン特典日本盤復刻オビ付きで再発を望む。



  参考URL<http://homepage1.nifty.com/hawkwind/japanesesite/japanesetop.html>

JOJO広重 2007.6.27.



PageTop
Back to Index


Mail to us Mail order