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『あんたの言っていることはよく分からん。おかしいんじゃないのか』
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本当に正しいのはどっちだ?
正常者が異常で、異常者こそが正常ではないのか。
反戦。
恋愛。
人間。
宗教。
人生。
自由。
無垢。
それらの全てがこの映画にぶち込まれ、それでいながら細部にまで比喩や皮肉まで細工され、美しく、そして、せつない。
この映画を見る男性で、ヒロインのコクリコ(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)に気持ちをひかれない者はいないのではないか。彼女の魅力は、底なしに深い。
第一次世界大戦末期、フランス。
時限爆弾をしかけられ、町民すべてが逃げだした町。
精神病院のみが放置され、収監されていた狂人たちが町に出て、自由に生きる。 そこに斥候として、またただ一人の正常人として送り込まれた、プランピック二等兵と、狂人たちとの掛け合いが、この映画の大半をしめる。
笑わされ、胸をしめつけられ、泣かされ、そして、思わされる。
こんなに素晴らしい映画は、そんなに多くない。
そして、未だに、無名に近いほど、この映画は多くの人には知られていない。
JOJO広重
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2005.6.4.
参考LINK:http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13871/
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