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第4回
まぼろしの市街戦(原題:LE ROI DE COEUR)
監督:フィリップ・ド・ブロカ /1967年 フランス・イタリア


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『あんたの言っていることはよく分からん。おかしいんじゃないのか』
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  本当に正しいのはどっちだ?
  正常者が異常で、異常者こそが正常ではないのか。
 

  反戦。
  恋愛。
  人間。
  宗教。
  人生。
  自由。
  無垢。
 

  それらの全てがこの映画にぶち込まれ、それでいながら細部にまで比喩や皮肉まで細工され、美しく、そして、せつない。

  この映画を見る男性で、ヒロインのコクリコ(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)に気持ちをひかれない者はいないのではないか。彼女の魅力は、底なしに深い。 

  第一次世界大戦末期、フランス。
  時限爆弾をしかけられ、町民すべてが逃げだした町。
  精神病院のみが放置され、収監されていた狂人たちが町に出て、自由に生きる。
  そこに斥候として、またただ一人の正常人として送り込まれた、プランピック二等兵と、狂人たちとの掛け合いが、この映画の大半をしめる。  

  笑わされ、胸をしめつけられ、泣かされ、そして、思わされる。

  こんなに素晴らしい映画は、そんなに多くない。
  そして、未だに、無名に近いほど、この映画は多くの人には知られていない。  



JOJO広重 2005.6.4.


参考LINK:http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13871/






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