これらを説明する前に、いくつかの工程(総称して「ビ−ムハウス」と呼ばれている)をごく簡単にご説明したいと思います。
「皮」は、まず一時的に腐らせないようにするために、一つの方法として多量の塩にまぶされて、原皮商の元に集められます。
タンナー(「皮」を「革」にする会社の総称)はそれらを買い付け、以下の工程を施し、コラーゲン繊維以外のものを取り除きます。
ソーキング :水戻し及び洗浄工程
ライミング :pHを上昇させることによって皮の繊維を膨張させ、毛根を溶かす工程
アンヘアリング:毛根が溶かされ、抜けやすくなった毛を除去する工程
デライミング :pHを上昇させるために使った薬剤を中和する工程
ベイティング :pHの上下によって硬化した繊維を酵素によってほぐす工程
ピックリング :以上の工程を経た「皮」を保存できるように塩と酸性の薬剤で処理する工程
ここからタンニング(鞣し工程)に入ります。鞣しとは「皮」と鞣し剤を結合させることによって、「革」を半永久的に使えるものにする工程です、鞣すことによって「革」の性格(柔軟性、染色性、強度等)を、ある程度決めることになります。
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タンニングに使う鞣し剤は現在、植物から抽出された「植物タンニン」と金属の「クロム」が最も一般的です。
その「クロム」で鞣された後の「革」を「ウェットブルー」と呼びます、濡れている状態であること、「クロム」によってごく淡い青色になることから、そう呼ばれているようです。
※なぜ濡れているかというと、乾かしたらカチカチに硬くなって水戻しが難しくなってしまい、その後の染色工程等に支障をきたすからです。このことは、ここまでの工程全てに共通しています。
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タンニングを終えた「革」に、さらに工程を施し、乾燥した状態になったものを「クラスト」といいます。
鞣し剤は「クロム」に限らず、「植物タンニン」でもその他のものでもかまいません、サイズや品質で選別したり、スエード用にバフィングを施したりするために必要です。
※さらに施される工程については、Leather making へ戻ってご覧下さい。
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