ここでは当社の業務内容、すなわち「皮」が「革」になるまでを簡単にご紹介いたします。

革の作り方は、原料の種類や用途等、また個々の企業によっても千差万別です、

ここでご紹介出来るのはごく基本的なものであることをご了承下さい。

原料について

当社のご提供する商品の中心素材はラムスキンです、ラムスキンは国内で原料を調達することが現在不可能です。

従って、世界各国から「ウェットブルー」「クラスト」という状態で輸入しています。

準備工程

仕入れられた「ウェットブルー」「クラスト」は、使用目的によって選別され、厚みを揃えられます。

ウェットパート(水場行程)

ここから、「革」に色、柔らかさ、伸び、膨らみ等を以下のドラムを使って与え、乾かすまでの工程を説明します。

ドラム

セッター

干し場

ドラムセクション

ドラム(1分間に約16回転する木製の円筒状の機器)の中に革と温水を入れて回します。工程を経る中で様々な薬剤を添加していきます。ドラムの内部には「ダボ」と呼ばれる突起物があり、革がドラム内でうまくかき混ざるように工夫されています。

工程

目的

pH/℃

備考

レタンニング

Retanning
再鞣し工程、様々な性格を革に付加する工程です。染色の均染性を高めたり、伸びを止めたり、硬くしたりします。

3

30
鞣し工程の補助的な意味もあります。

ニュートラライジング

Neutralizing
中和工程、酸性の革内部を中和することによって、染料等を革内部まで浸透し易くします。

4〜6

40
重ソウ、ギ酸ソーダ等が一般的な中和剤です。

ダイイング

Dyeing
染色工程、主に酸性染料を使い、革繊維とイオン結合させます。

4〜6

30
塩基性染料もよく使われます。

ファットリカーリング

Fatliquoring
加脂工程、革に柔らかさを与える工程です。保湿性を持つようになり、乾かしても硬化しなくなります。

4〜6

50
魚油、牛脚油、植物油等の天然油や石油から作る合成油を使います。

フィックシング

Fixing
固着工程、一般的にギ酸を用いて染料や加脂剤をイオン結合させる工程です。

3

50
耐熱温度が低いため、一般の繊維製品のように高熱処理できません。

以上、ドラムから出た革は、セッターという機械で伸ばされながら水を絞られます。

その後、干し場で自然乾燥されます。

ドライパート

ここから、革表面にイメージ通りの色、ツヤ、タッチ感等を与える工程を説明します、最終工程のため、厳しいチェックをクリアせねばなりません。

薬品

スプレーマシーン

グレージング

準備工程

フィニッシングに入る前に、以下の工程を施し、準備します。

ステーキング:乾いて突張った革をほぐす工程

トグリング :革の中心から放射状に引っ張りながら強制乾燥させ、平滑な形にする工程

フィニッシング

フィニッシング(仕上げ工程)には、様々な工程、薬品があり、またそれぞれを組み合わせることによって、さらに多様な仕上がりを得ることが出来ます。

その中でも代表的な工程をご紹介します。

コーティング(塗装工程)

スプレーマシーンによるコーティング:自然なままの革表面を活かす、軽い仕上げに適しています。

ローラーコーターによるコーティング:耐物性、耐熱性などの「強さ」を追求する、革のダメージを隠す、厚い塗装膜を作るのに適しています。

アイロニング(アイロン工程):ツヤ出し、表面を平滑にする、銀面を絞める等の効果を与えます。

ハイドロウリックプレスによるアイロニング:高い圧力、温度を一定時間かけることが出来、硬い革、平滑さを要求される革に適しています。

フィニフレックスによるアイロニング:柔らかい革を硬くせずにかけることができます。

グレージング(ツヤ出し工程の一つ):良く磨かれたガラスや石等で革表面を、圧力をかけながらこすり、ツヤを出す工程。

ポリッシング(ツヤ出し工程の一つ):フェルトやクロスをシリンダーに巻き、回転させて、革表面を磨く工程。

エンボッシング(型押し工程):ワニやヘビ等の爬虫類からバッファローや象など、また幾何学模様等を鉄板に刻み込み「型」を作り、ハイドロウリックプレス等を使って革表面にプレスすることによって、革に新たな表情を持たせる工程。


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