アフガン難民たちからのメッセージ
 

私達は、人間らしく生きるため、
日本政府に収容所からの解放を求めます
 
〜牛久収容所に収容中の3名からの手紙〜
 


  
 牛久収容所では、東京地方裁判所民事第3部が3月1日に出した7名の収容執行停止以降、数人の人が仮放免になりましたが、いまだに十名以上の人々が収容所に残っています。
 そのうち3名の人の連名で、以下のような手紙が届きました。いずれも、成田空港などに着いた段階で拘束され、難民申請を行ったのに無視され、牛久収容所に直送された人々です。彼らの拘禁は、すでに7〜8ヶ月に及んでいます。
 精神的にも厳しい状況に追い込まれている彼らの手紙をじっくりとお読み下さい。

 

2002年3月21日
 まずはじめに皆様に敬意を表したいと思います。皆様のご健康を願っております。
 
 私達はアフガニスタン出身で、日本で難民申請をしました。日本に到着して、保護を求めましたが、逆に日本政府は私達を入管の収容所に入れました。一体なぜなのでしょう?日本には、(私達の)人権というものはないのでしょうか?
 
 私達がなにをしたというのでしょうか?
 私達はただ難民申請しただけなのに、今こうして収容所に入れられております。
 
 私達の一人は、4年も前に難民申請しました。ある者は7、8ヶ月前に申請しました。いずれも一緒に収容所に入れられております。
 
 私自身も彼らと同じように、6ヶ月前に日本に到着後難民申請しました。危険から逃れて安全を確保するためと、自分の将来そして家族のために勉強するためです。アフガニスタンで24年も戦争が続いているのは、世界の人々がご存知なはずです。
 
 しかし不運なことに私や他の人々は日本に来てしまったがために、こうして収容所に入れられております。私達は様々な病気に苛まれています。心臓病などに苦しみ、精神的にも参っております。
 
 毎日体重は減る一方です。睡眠薬や他の薬を毎日大量に飲んでおります。
 
 私達は皆一様に家族のことを考えております。どこにいるのか、生きているのか、それともアフガニスタンの戦争に巻き込まれてもう死んでしまったのか、それすらわかりません。何事もないようにと祈るばかりです。
 
 私達は、日本政府に庇護を求めます。
 私達は卑しい者たちですが、それでもこの収容所の外に出る権利を求めます。
 
 私達はこの収容に対して不満を抱いております。犯罪を犯したわけでもないのに収容するなんて、不当以外のなにものでもありません。これは、保護を求める人々を直接収容所に放り込むという(不当な)やり方です。
 
 私達は、きっと日本に行けば命が助かるだろう、と思ったからこそやって来たのです。しかし、私達は今収容所にいて不安で一杯で、気も狂わんばかりです。様々な病気に苦しんでいます。
 
日本政府はテレビやニュースでいかにもアフガニスタン(の復興)を助けているように見せていますが、その一方で私達を収容所に入れています。一体収容所の中で何を学べというのでしょう?
 
 私(A)は、20代前半です。本来なら自分の将来のため、家族のために学校で学んでいてもおかしくない年齢です。しかし不運なことに私は収容所におり、他の皆もそうです。毎日、気が狂いそうな思いです。
 
 B氏は、「家族のことがとても心配だ。いつまでここにいなくてはならないのか分からないし、家族の生死についての情報も得られない。生きていてくれるといいが。」と言います。
 
また、C氏は「なぜ日本政府は私達アフガン難民を収容しなくてはならないのだろうか?収容所の外に出られさえすれば、母国アフガニスタンにいる人々を助けたいという気持ちもあるのに、こうして収容されていては何もできないし、気がおかしくなるばかりだ。」と言います。
 
私達は、人間らしく生きるため、日本政府に(収容所からの)解放を求めます。他の自由な人々と同じように生きるのは、私達の権利です。私達に正義を。あなたがたが私達の声を聴き、気持ちを理解してくださることを切に願います。私達の権利のために、あなたがたの助けが必要なのです。
 
感謝を込めて
 
(3名の署名)
 
  
 


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