○2001年11月15日 エジプトで同性愛者23名に懲役刑
エジプトでは、5月11日に同性愛者に対する弾圧が行われ、ナイル川に係留されていた大きなボートで営業していたゲイ・クラブにいた人々を始め、合計52名が逮捕されました。その後エジプト当局は、52名を「不道徳な性行為」の罪、主犯格の複数の人物を「イスラーム教にかかわる誤った過激思想を流布した」罪で起訴しました。
この件については、アムネスティ・インターナショナルや米国のイスラーム教徒の同性愛者団体「アル・ファーティハ」al-Fatiha Foundation などがエジプト政府に対して抗議運動や事件調査を展開し、この52名の多くが実際に同性間性行為を行ってすらおらず、性的指向についての推測だけで検挙されたということも判明しましたが、カイロの国家保安裁判所 State Security Court は11月14日、主犯格とされる人物1名に懲役5年、副主犯格1名に懲役3年、20名に懲役2年、1名に懲役1年、残りの29名については無罪とする判決を出しました。しかし29名についてはまだ解放されておらず、検察庁が控訴する恐れもあります。 エジプトはイランなどと違い、近代国家化のプロセスの中でイギリス・フランスの法体系を導入して法律の骨格が作られた世俗国家です。また、法律制定のプロセスの中でソドミー条項(同性間性行為を罰する規定)は取り入れられず、同性間性行為を禁ずる法律はありません。しかし、今回は同性愛を「不道徳」とするエジプト宗教見解庁の決定に基づいて刑が下されたものであり、エジプトの立法・司法システム自体が批判にさらされました。アムネスティ・インターナショナルや国際レズビアン・ゲイ人権委員会(IGLHRC)、「アル・ファーティハ」などは今回の判決を厳しく批判するコメントを相次いで発表しています。 |
○2001年9月24日 国際イラン人難民連合がニューヨークテロについて声明
2001年9月11日に米国ニューヨークで発生した同時多発テロ事件について、欧米に亡命したイラン人たちで作る組織「国際イラン人難民連合」(Hambastegi,
International Federation of Iranian Refugees)は、9月24日、機関誌「ハンバステギ」第108号において、「テロリストたちはテロを終わらせることはできない、できるのは民衆のみ」(Terrorists
Cannot End Terrorism, Only We Can)という表題の声明を発表しました。
声明の要旨はおよそ以下の通りです。
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