共同声明:何のため?
シェイダさん裁判も、ついに第1ラウンドの終幕を迎えようとしています。長かったこの3年半……しかし、最後まで力を抜くわけには行きません。
■「裁判」のもつ二つの側面:「判決」は全てではない
裁判には、二つの側面があります。提訴から結審までの主張や証拠の積み重ね、という蓄積的な、アナログ的な側面と、判決、という、一かゼロかのデジタルな側面です。マスコミを始め、多くの人々は、後者の、デジタルな側面でしか裁判というものを見ようとしません。「勝ちか負けか」……たしかに判決は裁判の決定的な要素の一つではあります。しかし、市民が行政の不条理を訴える裁判では、それに全てを賭けることはきわめてリスクの高い賭けであると言わざるを得ません。なぜなら、日本の裁判の多くにおいては、司法権の独立は形骸化し、行政の肩を持ってこと足れりとする裁判官がほとんどだからです。そのことを考えれば、全てを裁判官に託すのではなく、前者の蓄積的な側面において、市民側が行政側を圧倒しているという状況を、判決前にすでに作り出しておく、それによって、判決はどうあろうとも社会は、また問題を取り巻く状況はすでに変わっている、という状況を作り出しておく、ということが、私たちにとってきわめて重要であると言えます。
シェイダさん裁判では、それがある程度出来ています。逮捕・収容後1年7ヶ月を経て、彼は様々な証拠の積み重ねから、国連難民高等弁務官事務所の事実上の難民認定を得て、収容所から仮放免されました。彼がイランに強制的に送還される可能性は非常に低いと言えます。裁判所はアメリカからはるばる人権活動家のエグテダーリさんを招へいして、証人尋問を行いました。シェイダさん側が出している証拠の数は、これまで10年間で欧米・オーストラリア・ニュージーランドなどで闘われたイラン人のゲイの難民認定を巡る数多くの裁判の中でも多く、この種の事件の「集大成」ということができると思います。この裁判は、英字新聞を中心に、マスメディアでも取り上げられています。
■法務省さん、これ以上シェイダさんをいじめないで!
〜シェイダさんに難民認定を キャンペーン〜
このように実績を積み上げてきたシェイダさん裁判ですが、ここに来て、最後にこれまでで最大の力を集中させていく必要があります。上記のようには言うものの、判決の規定力は非常に大きなものがあります。もし敗訴すれば、短期間で終わることが予測されるものの、シェイダさんは再び収容される可能性があります。また、シェイダさんは今、一度却下された難民認定を再び申請中ですが、敗訴判決が出れば、法務省はこれみよがしに難民認定を却下してくるでしょう。また、こちら側が勝訴した場合には、法務省が控訴してくることはほぼ確実であると思われます。法務省がこれらの措置をとってくることを事前に封じ込めるために、私たちとしては、何らかの手を打たなければならないと思います。
そこで私たちは、法務省に対して、シェイダさんを早急に難民認定することを求める共同声明を、皆様に呼びかけて募ることにいたしました。
この共同声明の目的は、以下の通りです。
シェイダさんの難民認定を求める。これにより、
○勝訴時については、法務省側に控訴を断念してもらう。
○敗訴時については、法務省側がシェイダさんを強制収容したり、
強制送還したりすることがないようにする。
というものです。私たちとしては、これまでシェイダさんをサポートしてくれていた方々を始め、様々なチャンネルを通じて、出来るだけインパクトのある形で共同声明を集め、法務省に提出していきたいと思っています。第1次集約は12月17日、結審の前の日です。また、第1次集約以降も、共同声明集めの作業を行い、1月〜2月(判決前の時期)に法務省(野沢太三法務大臣・増田
暢也法務省入国管理局長)に提出していきたいと思います。
共同声明のやり方
この共同声明の文面は、以下の通りです。(ここから>>)また、共同声明にご賛同いただくには、(1)郵送・FAXで送っていただく方法、(2)メールで送っていただく方法 の二つがあります。
1.郵送・FAXで送っていただく場合
(1)パソコンにワード(Microsoft Word)が入っている方
まず、以下のURLにアクセスして下さい。ここから、共同声明のワード文書をダウンロードできます。
>>ここからダウンロード!!
ダウンロードしたワード文書をプリントし、所定の事項をご記入の上、以下の郵送またはFAX先に送付して下さい。
(2)パソコンにワード(Microsoft Word)が入っていない方
パソコンにワードが入っていない方については、ここにアクセスして下さい。>>
ここにある共同声明用紙(html文書)を打ち出して、所定の事項をご記入の上、以下の住所までご送付下さい。
<結審・判決キャンペーン共同声明送付先>
■郵送の場合
チームS・シェイダさん救援グループ
東京都中野区中央4-55-8滝田荘206稲場方
■FAXの場合
03-3380-2490(チームS・稲場方)
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2.電子メールで送っていただく場合
まず、以下のURLにある「署名送信フォーム」にアクセスして下さい。
>>ここから署名送信フォームへ
この送信フォームから、所定の事項を入力の上送信すると、チームS電子署名集約係に送信されます。また、電子署名に関する考え方についてはこちらをどうぞ!!>>
ということで、是非とも皆様、よろしくお願いします!!
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