2002/MAR/02   指輪物語


ようやく読み終わった。話題の映画、ロードオブザリングの原作本。文庫本で9冊。たっぷり過ぎるボリュームで、書店でその事実を知ったときは読み切れるのかと怯んでしまったけれど、結局はその面白さに引きずられて読み終えてしまった。

物語は壮大。物語の設定やそこで起こる事件は奇想天外。ドラゴンクエストなどのRPGゲームのルーツだと聞いたが、納得。すばらしいと思ったのは、たくさんいる登場人物の一人一人の性格がしっかり描かれているところ。それぞれのキャラクターに思わず感情移入してしまう。派手な事件がたくさん巻き起こるわけだが、その時々、登場人物たちがそれぞれの立場や感覚、感情をもって、すごくリアルなのだ。どう表現したら良いのかわからないが、本を読み進めるうち、いつしか、登場人物のイメージが一人歩きを始め、読んでいるのは活字なんだけれど、映像というか音声というか絵というか写真というか、私の頭の中で何か別のものに姿を変えてしまうのだ。

だから、めちゃめちゃ、葛藤しながら読むことになってしまった。最初の方で、ある指輪をどこかへ運ぶという冒険の話、ということがわかるので、結末が知りたくてたまらなくなる。どうなっちゃうんだろう?と。でも、だからと言って、最後だけ読みたくなるのかと言うと、そうではない。とにかく一体何が起こるのか、それがどうなるのか、その時、登場人物はどうするのか、何を思うのか、ハラハラドキドキ。1ページたりとも飛ばしてしまいたくはないけれど、でも、先へ先へ先へ進みたい。最後の1行を読み終わるまでは、安心はできませぬ。

読み終わっての感想はと言うと、結末がっ・・・もの悲しい気分に襲われたのは私だけなんだろうか。運命って?、選ばれし者って?、時代が終わるって?、そういうこと?

結末を知って、ひと安心したわけだが、読み終わったそばから、もう一度、今度はゆっくり読んでみたいと思う。先を急ぐばかりに読みとれなかったこと、感じられなかったこと、理解できなかったことなどをひとつひとつ確かめてみたいし、作者がこの壮大な物語に込めた思いと、じっくり向き合ってみたいと思う。もちろん、映画も絶対に観に行きたい。

 

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