98/JUL/21   カジノ−産業としてのカジノ


 

広大なカジノ場をうろうろしていると、にぎわっている場所と閑散としている場所があることに気づく。スロットマシンでも、ゲームテーブルでも。

そんな風景を目にしながら、いったいどのくらいの稼働率になると、あるいは、一人当たりどのくらいの金額を落としてくれると、カジノは儲かるんだろう、とふと考えた。カジノ場でそんなことを考えるというのは、やっぱり私は真性のギャンブラーではないのだろう。

スロットマシンには当たりのためのコインが必要だ。たとえ1日中ほとんど使われないとしても、コインを入れておかない訳にはいかないだろう。スロットマシン1台にどれくらいのコインを用意しているのか知らないが、あれだけの台数があるのだから、かなりの金額になるはずだ(想像すらできないけれど)。つまり、多額の現金が常時スロットマシンの中に眠っていることになる。現金を現金のまま維持し続けるのには多くのコストがかかる。

ゲームテーブルはコインの代わりにチップを使うから、現金を保有するコストは無さそうだが、ディーラーたちの人件費がかかる。スロットマシンなどは機械だから、電気代くらいしかかからないだろうが、24時間営業のカジノではディーラーは最低でも3交代制をしかなければならないはずで、彼らの人件費が必要だ。

前回の「カジノ−安全は買うもの」でも触れたが、安全を確保するための費用も膨大なはずだ。

うーん、残念ながら、私の素朴な疑問を解決するための資料は入手困難だろう。どなたかご存じだったら是非、教えていただきたいものである。

カジノ場へ運ばれる無料の(運んでくれる女性にチップは必要だけれど)飲み物を、バーテンダーがいちいちパソコンに入力している姿を見た瞬間(原価的には大した金額ではないはずだ)、巨大な産業体としてのカジノ業の顔にますます興味を覚えたのである。

 

 

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