98/JUL/16   カジノ−安全は買うもの


 

ラスベガスへ行った。ラスベガスと言えば、カジノ。カジノにいかねばならない。

想像していたのとはスケールが違う。ホテルの中の施設なのに、大きい。つまりホテル自体が大きいのだ。客室が3千室から4千室あるのだ。私の尺度とは全くの別世界なのである。アメリカを訪れる度、私の日常的な尺度が余りに小さな目盛であることに気がつく。

スロットマシン、ルーレット、ブラックジャック、クラップス、キノ、ポーカーなど、種類としては7、8種類だろうか。掛け金も大小様々。広い広いカジノ場に、ギャンブルの場が限りなく用意されている。天井の案内板だけが頼りで、迷子になりそうなくらいである。

スケールの大きさにも驚かされたが、もっと驚いたのは、その安全さ、だ。あのアメリカにあって、人々が現金を手に歩いていたり、人前で平然と財布を開けているシーンに唖然とした。午前2時だろうと3時だろうと、8時だろうと9時だろうと、何も変わらない。信じられない!

たいていのカジノスタッフがトランシーバーを持ち、数多くの人員がカジノ場を巡回している。ホテルの自室に戻る間に何人ものセキュリティスタッフとすれ違う。彼ら、多くのスタッフによって安全が維持されているのである。逆に言えば、それだけのスタッフを装備をしなければ、あるいは、彼らにかかる人件費やら設備費やら膨大な金額を支払わなければ、維持できないのがアメリカでの安全なのだろう。

よく日本人は安全と水はただで手に入るものだと思っている、と言われるが、まさに、安全はお金で買うものなのだ、ということを実感したのである。

念のため申し添えておくが、ラスベガスでも夜間はスリップと言われるホテル街のメインストリートとホテル施設内だけが安全であるに過ぎないと聞いている。私が上記で述べているのはあくまでも、宿泊したホテル内のカジノ場での体験だ。ラスベガスの全てが安全だというつもりは全く無いので、誤解されぬよう。

 

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