【昧爽社の本について】

十数年前に何冊かこの社名で詩集を作り休業(?)していました。そして'95年に以下のような詩集を作りました。昧爽社という社名はつけているものの、これは商売ではありません。印刷費は直接印刷所に個人が払います。僕は最小の経費をいただくか、無賃で作りました。また、地方・小出版流通センターという問屋さんにお願いして売ることはできるのですが、だいたい詩集は売れません。で、売れなくてよいのです。(^^)で、万が一売れた場合、最初の作る人との話で、本人に還元しています。まあ、これはまた問屋さんの役目をしていることになります。ですから、Booby Trapなどでは「できるだけ著者に注文するように」とさんざん書いてますが、たぶん著者のところにもそんなに注文はないでしょう。宮沢賢治は『春と修羅』を自費出版して、たしか読売新聞で草野心平が絶賛したのにもかかわらず、売れた形跡などないです。で、箱に入れて草野に送り、配ってください、というようなこともしたらしいです。
ぼくはボランティアという概念は大嫌いなのですが、せっかく詩集作りのノウハウや印刷所や、そのほか様々なものを知っているのですから、いままでの必要経費を預かって作るということから、無賃で個人的、あるいは集団的にお教えします、ただし、全部自分で動いてください、ということを考えています。まあ、これは詩人産直の詩集作りですね。たぶん株式会社になっているような詩書出版社では純印刷費の2倍は、広告費なども含めてかかるでしょう。自分でやれば半額です。
詩書出版社で作るのはそれなりにいいところもあります。詩人の世界は狭いからいいところが出てくるんですね。それに詩の文化を考えながら、真剣に金銭的にも会社を運営しているんですから。純文学雑誌の編集者がでてくる「編集王」という漫画がありますが、あれもそうとうきついことが描かれていますが、あんな甘いもんじゃないぐらい真剣でしょうね。
僕も忙しいので、去年のようにいっぱい作るのは嫌になってはいますが、金のない詩人に作り方をお教えするのにやぶさかではありませんし、自分の詩集は自分で作ります。
何の話だかわからなくなってきましたが、昧爽社とはいまそういうものです
だから、上記の事情が反照するように、1冊だれか買って読んでくれた、ということがいかに著者を勇気づけるかしれません。
また徐々に補足記述をこのページに書いていくつもりです。

ISBN番号リスト
ゼノン、あなたは正しい(倉田良成) ISBN4-943953-00-X
ぼくのお城      (布村浩一) ISBN4-943953-03-4
長い夢        (長尾高弘) ISBN4-943953-02-6 長尾高弘さんのE-mailアドレスnyagao@longtail.co.jp
毒草――夏の旅    (清水鱗造) ISBN4-943953-04-2
presence/echolalia  (田中宏輔) ISBN4-943953-05-0
イギリス観光旅行   (長尾高弘) ISBN4-943953-06-9

詩集の値段はHTML版Booby Trapに書いてあります。郵送料は定価に含みます。長尾さんの詩集はHTML版、Windowsヘルプ版ともに公開されています。上記の書名をクリックしてくださると、HTML版を読めます。紙版はできるだけ著者にE-mailで注文してください。どうしても本屋さんで頼む場合、「地方・小出版流通センター扱い」と必ず言ってください。
1996.11.5記 長尾高弘さんの『イギリス観光旅行』を刊行しました。定価は800円です。長尾さんのメールアドレスにメールを送って注文するか、地方・小出版流通センターに注文するか、池袋西武ブックセンター地下1Fにある「ぽえむ・ぱろうる」でお買い求めください。「ぽえむ・ぱろうる」には1冊しか置きませんので、ない場合は注文してくだされば連絡がきます。mailで原稿をいただき、僕のパソコンでDTP版下を作ったものです。郵便振替はこちらに連絡がくるまで1週はかかりますので長尾さんのところから郵送されて届くまで10日はみてください。

郵便振替:00170-6-57502 昧爽社


【Booby Trapについて】

1.経済状態=良好
というのも、印刷費が学生時代のときからの付き合いのある入谷の小さな印刷所に頼んでいるため格安だから。
直接予約購読の更新が毎号に20あればよい。つまり5号進む間に、100あればよい。ということは100人直接予約購読があれば、大丈夫です。この数には達していないので、「直接予約購読者を求めます」。残りの赤字はだいたい一回飲みにいく経費(?)というところで、これは僕の小遣いから出しています。下記の郵便振替番号で1100円(5号分予約金)振り込むと早速、紙版を送ることができます。その際、バックナンバーの場合、号数を明記してください。振替用紙の通信欄に何も書いてない場合、最近号を初回送付号とします。HTML版で読めるにしろ、やはり紙版でためつすがめつ読むのもいいかと思います。この数なら(100人の直接予約購読者)寄贈郵送料など、諸雑費の経費もまかなえますので、いかにこの雑誌が経済的に作られるかわかると思います。
それは、50グラム定型の郵送ができること(20ページで50グラム:90円までの重さに作る)、原稿はms-dosテキストファイルでいただく、原稿料はなし、というような工夫によります。要するに、ほとんど売れなくても大丈夫だから良好です。でも読んでほしいので、ぜひ直接予約購読をお願いします。一人の読者に書き手がどんなに勇気づけられるか、すごいものです。
(このページで予約講読の金額が5.29日まで間違えて5号分予約2200円となっていました。すみません。5号分予約1100円、10号分予約2200円です)

2.「Booby Trap」の発行ペースについて
隔月間のペースを目指していますが、'96年は季刊ペースですね。もともときちんとした性格ではないので、月の日を決めて出すなんてできるとは誰も思っていないかもしれませんが、目指しているということは確かです。というか、外部的要因が人間を動かすってことは当たり前ですからね。最低季刊ペースは守られるわけです。

3.「Booby Trap」に掲載された作品が商業出版される本に収録されること。
昧爽社で昨年刊行した詩集などが、商業出版社で刊行される詩集に質においてけっして劣るとは考えていませんが、すでに商業出版された本のなかに収録された作品はだいぶあります。
これは喜ばしいことです。著者は粗利として印税を手にします。商業出版社は少なくともその出版で黒字を見込んでいます。純益(いろいろ時間を使ったり、資料を買ったりしたお金を引いた利益)が、たとえば、伊豆1週間の家族温泉旅行なんかになれば、チョベリグという感じですね。その機会に、秋葉原でパソコンを購入するという人もいました(嘘、フーゾクへ行こうが、ベンツを買おう^^が、あずかり知らぬことです)。
ところで96年には吉田裕さんの「バタイユ・ノート 3」を中心に『ニーチェの誘惑』(書肆山田)という本が刊行されました。バタイユはものすごい人だと僕は思っています。とくに散文詩「死者」には圧倒されました。『呪われた部分』は成熟した資本主義を考えるとき必読文献といってもいいと僕は思います。この本を本屋さん(本屋さんでしか買えないし、本屋さんでしか注文もできません)で買って読むと、著者は嬉しいわ、「Booby Trap」の書き手は嬉しいわ、僕も嬉しいわ、ということになります。これはこの辺では、とても嬉しいことなのです。


郵便振替:00160-8-668151 ブービー・トラップ編集室

清水鱗造のE-mailアドレスshimirin@kt.rim.or. jp

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