黄色いネオンと白い皿(1997.9.9)

黄色いネオンと白い皿(1997.9.9)


火を使っていないのに
換気扇が回っている
曇りガラスの向こうには黄色いネオンが
ちかちかして
じれている

わけありの空白
の
罅のなかに醜のヴィジョンが
ほぼ等間隔で並んでいる

櫂を一突きすると
船は瀞にすーっと動き
細い竹藪に舳先は流れる

わけありの
しとねでは
映画のなかで
わけありの男女は
血を見るが
いま
台所で
換気扇が回って
インスタントコーヒーの粉を
カップに入れている
白い皿に
クリームを一筋流してみる
その皿にネオンがちかちか
またたいて
タバコを夜中にふかす
静物の図柄だ

◆清水鱗造 週刊詩 目次◆前頁(ある温泉街の話(1997.9.16))◆次頁(微小な鯰(1997.9.2))◆

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