ネジまわし(1997.12.9)

ネジまわし(1997.12.9)


境涯というのは大げさな
たばこに火を点けるのはこのとき
明太子の腹から出す手術というのは
醤油をかけるときに
ネジを思うことのように
なつかしい
口紅を引くのは
菊の懸崖仕立ての
そこから滑り降りる
耳の張りぼて
ちっちゃなガラスのトナカイさんは
いつもみんなの敬い者
偉いもん
ホンジュラスは経緯何度か
挿入ことです
毛づねを剃ることが罪なら
僕はもう小遣いが倍欲しい
焼けた鍋を舐めてはいけない
ネジ溝を痛めたら
すぐバンドエイドを貼り
メエルシュトレエムの
内側を蚊取り線香の煙で満たす
ぎりぎり
回す

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(火口(1997.12.16))次頁(いちごと毒虫(1997.12.2))

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