一年草(1998.6.30)

一年草(1998.6.30)


ひょろ長い葉が
編んでいる日がな一日
そいつらはまだらに
地面に生えていて
時折キュラソの口を開けて
青い汁を出したりする
斜めに日に波をつくり
水を求めているふうもない

耳の後ろの乾いた毛
白金のネックレスも
黄色いピアスもない
ただ水溜まりを地上1メートル70センチの皿に
ぷかぷか支えて歩いている
脳の上の風を感じる触角

水皿 水皿
長くなびく
一年草
それで虹の染みを
白い布に飛び散らせている
まだらな青い演技で
膨らんで
乾いたり
湿ったりして匍匐していく

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(立ち枯れ(1998.7.7))次頁(ロックンロール・サマー(1998.6.23))

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