セロファン虫(1998.8.18)

セロファン虫(1998.8.18)


たばこの包み紙が
アスファルトの上に
ひらひらしている
あの地面の
熱に
セロファンは
伸び縮みしているのだろう
だから
赤い封印の細い透明なひもが
虫のように
アタマをもたげたりする
極微の血の滝に
菌の感情が
浮かんでいないといったら
それは嘘だろう

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(定型ハーブ(1998.8.25))次頁(イッソスの戦い(1998.8.11))

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