金・新市街(1998.9.8)

金・新市街(1998.9.8)


しろがねの


記録されない9月の雲
金が映る
それを僕は秋のなかで
熱として頬に受けている

246が多摩川を渡りきったあたりで
頬に受ける
金・新市街
遠くの明かりが
ぶれて
虫のようなクルマが
流れているのを見る

(たしかに僕はひどいよ
 でも涙腺はある)


新市街
僕らは煙草に火をつける
《とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ》*


*吉本隆明「涙が涸れる」より

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(地霊との妥協(1998.9.15))次頁(旧市街(1998.9.1))

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