私信(1999.2.16)

私信(1999.2.16)


紙を燃やすのはたのしい
よりわけて
要らない文字を燃していく

破ろうとする私信には
約束の文字が見られる
それが守られたのか
どうか

目からたぶん草むらが入る
それは茂って茂って
地面に落ちた虫ピンを隠す
それは錆びながらも
相変わらず尖っている

セーターを着た青い柱の
陰に
耳鳴りが届くのは
草むらに
ピンを見つけるから

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(溶色(1999.2.23))次頁(あぶな街(1999.2.9))

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