時代の霧(1999.3.9)

時代の霧(1999.3.9)


雲が過ぎると
透明な三角錐が
回って近づいてくる
そのガラスが通ると
花がくる

三角錐は1分の時代で
花も1日の時代で

やがて四方山話をする
縁側の男たちは
亡くなる
そのうえ
縁側の板も腐る
(板の湿りにゾウリムシ)

山の木々のあいだの
星は運行し
1秒の時代は霧になって
飛ぶだろう
星のおもてを

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(線路のほとり(1999.3.16))次頁(夜桜はまだ(1999.3.2))

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