千枚通し(1999.6.8)

千枚通し(1999.6.8)


電車の窓から見える
塀の猫
重くなって
それから背に乗って
暗く駅を降りていく
それから
軽い一日になる
砂袋には小さな穴がある
(ささやくから)

踏み台に上がり
千枚通しを使い
紙縒りを挿し込む
写真帳
つまり
測れないまだら色が
手のひらに貫いている

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(夏の秤(1999.6.15))次頁(ホタルブクロの文字盤(1999.6.1))

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