服喪(2000.9.5)

服喪(2000.9.5)


本は小鳥のようにぼくの部屋に入ってくる
そんなに本を読むぼくじゃないけど
小鳥はたちまち むくろになる

ある朝まだやわらかい陽射しの時刻
おもむろにむくろの胸を右手で開ける

すると
砂糖の結晶のような文字が
ぱらぱらと机にこぼれる
そいつを眼で拾う

輝かしい喪の時刻

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(拾得(2000.9.12))次頁(草を追う(2000.8.29))

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