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::: Through the Looking-Glass :::
 −『鏡の国のアリス』−
鏡の国のアリス

『不思議の国のアリス』が出版されて以降、次回作への期待が各方面から寄せられました。1866年の夏、キャロルはマクミランへの手紙の中で、続編について触れています。初めから出版を念頭においての作品を予定し、1867年に着手します。

1868年の夏、一度は断られたテニエルから挿絵の承諾を得て、ようやく1871年のクリスマスに出版されることとなった『鏡の国のアリス』。即興の物語から始まった『不思議の国のアリス』とは違い、チェスのルールを基にした、鏡の中の逆さまの世界という手の込んだ構成になっています。それに、初夏の屋外で始まった冒険は、今度は暖炉の火もも明々と燃える室内、真冬の季節に始まるのでした。

この『鏡の国のアリス』、邦題からはすぐに『不思議の国のアリス』の続編であると知れますが、原題には「アリス」の名前は使われていません。もちろん、主役の少女はアリスですし、子猫だったダイナもキティとスノードロップという子猫たちの母猫になって登場します。でも、このとき、実在のアリスはもう物語をせがむ歳の少女ではなくなっていました。物語の中には、たくさんの詩が詠まれ、アリスとの思い出が随所に織り込まれています。白の騎士の詩によるアリスの回想を始め、色褪せることのない想い出と、そうであってほしいとの願い。幼い頃の写真がいっぱいつまったアルバムを一枚一枚めくるようなノスタルジー。

アリスは夢から醒めて子猫のキティに問いかけます。夢を見たのはアリスか赤の王様か。最後に作者キャロルも問いかけます。あなたはどっちだと思いますか?
――キャロルの夢、いえ、私たちの夢なのかもしれません。

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