次は、おなじみディズニー版アリスのしかけえほんです(表紙:D)。 上の画像(右)のように飛び出しはするのですが、どちらかというと教育的な要素が多いかもしれません。文章の途中に絵がペタリと貼ってあり、それをめくるとその絵を表す言葉が書いてある、という仕掛け。でも、家とか花とかはまぁ漢字にふりがながふってあってお勉強にもなるんですが、クッキーの絵に「クッキー」ってカタカナはどうなんでしょう? これがクッキーかぁ!と学べるのでいいのかもしれませんが、緑の草の葉をめくって現れた言葉が…「葉っぱ」。なんか力の抜け加減がかわいらしいからいいですけど。 ところでこの絵本にはサブタイトルがついています。“うさぎ穴からおっこちて”。お話は、キノコによってうまい具合の大きさになれたところで終わっていて、「ふしぎの国の冒険は、まだはじまったばかりなのです」と締め括られます。続きの仕掛け絵本があるのでしょうか? ちなみに絵のラストはチェシャ猫で、矢印をひっぱれば消えたりもします。が、お話の中でこのチェシャ猫の存在はいっさい語られていないのです。唐突すぎる出現にいったいナニモノなのか謎を残したままなのは、さすがチェシャ猫。続きがあるのかないのか、非常に気になるところです。 アリスの物語はいろんな画家やイラストレーターが挿絵を描いていますが、飛び出す絵本の世界でも新しい作家が登場しています。こちら、黄色いポップな表紙の飛び出す絵本(表紙:E)。作者は、J・オットー・シーボルト。アメリカのイラストレーターであり、ニューウェイブ絵本作家でもあります。 イラストはもちろん、色使いや文字のフォントも元気いっぱいで、わたしにはこのアリスが女子高生(記号としての、ですが)に見えるのです(笑)。というか、こういう顔の女子高生を見たことがあるような気がします。