銭湯超入門 -初めての銭湯-

中級者向け 銭湯マニア入門

銭湯は何が良いのか?

これは前から良く聞かれるっす。月並みな線だと「大きい風呂は気持ちが良い」なんだが…その他、銭湯業界でも良く分かっていないような部分もあるから、PRも兼ねてここに書いておくっす。

時間の節約

多忙な時代に生きる現代人の最大の理由はこれ。内風呂だと風呂入るのにいちいち湯ためて、さらに出たら掃除せんとダメでしょ?手抜きするとすぐに汚くなるし。それに比べると銭湯は(営業時間の制約はあるが)入りたいと思ったらすぐに入れるっす。掃除する必要がないっつーのは有難い。これで30分節約出来れば…時給1000円なら500円の得だぞ。

洗いの湯量、安定温度

内風呂だと、湯とかシャワーもちょぼちょぼでしょ。他で湯使うと、いきなり温度が変わって「あちー」「つべてー」になることも多いし。銭湯のカランの湯量、シャワーはたっぷり(まあ銭湯によってヒドいところもあるが…)、しかも温度は安定してるっす。石鹸やシャンプーのすすぎ力も違うから、美容にもいいぞ!

湯船の湯量、安定温度

テンプラも大きな鍋で揚げると美味しく揚がる。油の量が多いから、ネタを入れても温度が下がらないからっすね。銭湯も、小さな内風呂では、自分が入っただけで温度が変化するっす。さらに入っているうちにすぐ1度や2度は下がるっす。銭湯の湯舟は大きいから、温度が安定してるっす。埋め太郎がいない限り…これは多分、身体にもいい気がするっす。とにかく、身体の保温効果は内風呂より断然銭湯が上っす。夏場もどういう訳か、銭湯から上がるとしばらく涼しいっす。

 部屋の温度

これまた銭湯によるけど、模範的な銭湯は脱衣場も暖めてあるし、浴室も暖かいっす。服脱いでも温度変化が少ないから鳥肌立つことがないっす。

設備

これまあ、誰も思いつくところだし、行きつけの銭湯によって充実度が全然違うけど、たいがいの銭湯はバイブラ風呂、気泡のジェットなんかを備えているっすね。最近だと7点くらいで、背中、腰、ふくらはぎ、足裏とまんべんなく噴射するところも多いっす。その他、薬湯とか。あとはデンキ風呂とか。サウナ、スチームサウナ、水風呂。露天風呂あるところもあるっすね。あとは上がりのマッサージ機なんか。

あとむろん…ペンキ絵。タイル絵。こんなのは内風呂にないっすね。町田師匠のように家に書いてる人もいるが…庭、池、鯉。

本当はまだまだあるんだけど、主要なところではこんなところっすかね。とにかく銭湯は、すばやく済むし、内風呂よりも身体が綺麗になるっす。あと、銭湯上がっての近くの店での一杯も、これまたたまらんのだな…


銭湯の行き方

以下は「銭湯行ったことない〜、でも行きたい〜、でもなんかコワい〜」っつー人のための銭湯の行き方教室っす。はっきり行って、手ぶらで飛び込みでも全然入れるぞ。

服装

銭湯に行くのにどんな服装がいいって?そりゃまあ軽装が一番だけど、別にあっしはネクタイ姿でも入るぞ(ちょっと変だけど)。基本的に別に何でもOKっす。金持ちっぽくない方がセキュリティ上よろしいかも。

持ち物

お金

これは絶対いるよなあ。銭湯料金は2000年9月現在、東京で400円。地方によってやや違うっす。盗難もないことはないらしいんで、盗まれたら真っ青になるような金額は持っていかない方が無難。

タオル

まあ、これは必須っすねえ。一般的に1枚で全部済ませる人が一般的、たまにバスタオル持参の人もいるけど、近場じゃないとキツいかも。サウナ付の所は、タオル貸してくれるところが多いが、必ずそうとは限らないっす。バスタオルだけ、っつーところもあるっす。小さいタオルがついていなくても、番台で聞いたら貸してくれるところも結構あるっす。この辺の状況は店によるんで、必ず「これだ〜」っつーのはないっす。最悪タオル買えばいいっす(だいたい250円)。売ってないところは今のところみたことない。

石鹸&シャンプー&リンス

これも必要だけど、小さい石鹸は20円くらい、シャンプー&リンスは30円くらいで、ほとんどの銭湯では番台で販売しているっす。だから手ぶらでもOK。

その他

髭そりだのなんだの風呂グッズ。使い捨ての髭剃りはやっぱり番台で売ってるっす。30円から。あっしは60円の二枚刃を愛用。


最低マナー

これだけは必須事項っす。覚えるのだ!


銭湯シミュレーション

さて、バーチャルに銭湯に行くシミュレーションをしてみよー。注意するのは、銭湯は各店により微妙にシステムが違うので、必ずしも「これだ〜!」っつーのはないことね。

わからないことがあれば、番台の人に聞けばだいたいOKだけど、まあ「つれない」返事のところとか、何も返事しないところとか、「あー?何でそんなこと聞くんだ?」っつーようないぶかしがるところもまああるっす。これは飲食店も同じね。が、ここでくじけては将来のバラ色の銭湯ライフが遠のいてしまうぞ!これも経験だ!

場所

日ごろから知ってて、「一回入ってみたいなあ」っつーなら問題なし。が、どこにあるかわからない場合…一番強力な武器はNTTの電話帖の「銭湯」欄で調べてみよう。広告入りでちゃんと設備も紹介しているところもあるっす。WWWが使える場合(って今使ってんぢゃんかよ〜)、湯屋会の「湯ふ〜」とか、浴場組合のホームページに情報が載ってるっす。最近はWWWを開いている銭湯も多し!こういうところはサービスに力を入れているところが一般的なのでねらい目だ!

ま、伝統型銭湯なら「煙突で探す」っつーのも王道だけどね〜。

時間

さて、当然銭湯には営業時間っつーのもあって、各店まちまちっす。が、一般的に開店は15〜16時、閉店は24時くらいが多し。日曜日は朝からやってるところも最近多いっすね。「湯ふ〜」にも営業時間が記載されてるっす。

で、注意!営業時間ギリギリに行かないこと!最低でも閉店30分前に行くのがマナー!(ってあっしも看板消えてから飛び込むこともたまにあるが…)でも、銭湯を楽しみたいなら、やっぱり時間を気にせず余裕で行った方が絶対いいっすよねえ。

玄関

銭湯にはまず下駄箱がついているっす。木の「下足板カギ」になっているのが一番多いけど、鉄のカギのところもあるっす。なくさないようにポッケにでも入れておこう。サウナ付のところでは、下足板の提出を求められるところも多いっす。

カノジョ(カレシ)と一緒に神田川する人!ここで時間の約束を忘れないこと!目安は最短で40分、サウナ付なら1時間、相当長湯でも1時間半までだとは思うけど、あとはご随意に…もっとも風呂場の中で「XXちゃ〜ん、そろそろ出るよ」と大声で向こうに言うのもありだが、これは相当に根性が必要だぞ。もっともフロント形式でロビーあるところは、ロビーでドリンクでも飲んでTV見て待っててもいいけどね。

受付

銭湯の受付形式は、今や番台形式とフロント形式が半々くらいっす。フロント形式が年々増加中。ここで銭湯料金を払うのだ。小銭どんぴしゃりがよろしいが、札は1000円札までにしとこうね、番台で1万円札出すのは粋ぢゃないよ、「釣りはいらねえ」なら別だが(-_-;。まあ、1万円札だからといって入れないことはないっす。

あと、最近だと自販機チケット形式のところもたまにあるっす。

サウナ

サウナ使いたい時は、ここでサウナ料金払うっす。サウナ料金は銭湯によって全然違うっす。タダのところもたま〜にあるっす。だいたいフロントに料金が張ってあるっす。はっきりと「サウナも」と言おう。サウナに関しては、銭湯によってかなりシステムが違ってて、

なんてあるっす。たまにタダ入りしてる人もいるけど、ダサいのでちゃんと払おう。

手ぶら

手ぶらで来た時は、サウナ付ならタオルを貸してくれるところが多いっす。必ずじゃないけど。また、「手ぶらセット」を用意してあるところも今やぼちぼち。タオル貸してくれるところでも、バスタオルだけのところもあるので確認しよう。小さいタオルは銭湯では必須だからね〜。小さいタオルも「言えば」貸してくれるところも多いっす。が、残念ながら「保健所の指導により貸しタオルは置いてません」とハッキリ書いてあるところも。こういうときは仕方ないので買おうっす。だいたい250円。

使いっきりの小さいシャンプーやリンス、石鹸は99%以上の銭湯で置いてあるっす。だいたいカウンターに置いてあるけど、無くても番台の人に言えば出してくれるっす。

脱衣場

じゃあ、男女を間違えずに脱衣場に入ってみよう。番台のところは脱衣場に入るのが先だけどね。昔は棚だけとか、脱衣籠だけ、っつーところもあったけど、今の銭湯は必ず「カギ付のロッカー」が備わってあるのでこれを使おう。

脱衣場には「入浴マナー」とか書いてあることもあるので、落ちついて周りを見回してみようっす。脱衣場にはいろいろ置物だの飾りだのあって、これが銭湯経営者の趣味をあらわしていることが多いっす。なあんにも無いところから、田舎の親戚の家みたいにゴチャゴチャ置物置いてあるところまで。こんなのをチェックするのも楽しみの一つっすね。

初めての人は、脱衣場でちょっととまどうかも。でも、脱衣場で素っ裸になることは、全然恥ずかしいことでないのだ!さあ、今からの楽しみへの期待を胸に抱いて、ウキウキとハダカになろう!え?なんかちょっと違う?(-_-;

万一ハダカになったあと、「あ”〜石鹸忘れた〜!」焦らない焦らない。また服を着てフロントに戻る必要はないっす。フロントの裏側に小窓がついてるから、ここで「石鹸ちょうだい」で購入すればOKっす。

あと、トイレ忘れている人!気色良くフロに入るために、先に行っとこうね。現代風銭湯は脱衣場内にあるけど、レトロ系の場合は、縁側を出て端っこが雪隠だ!

浴室

さあ、ここまで来れば勝ったも同然!(何に勝つんだ?)早速フロ場へ。が、ちょっと待て、まず体を流そうね。だいたいは桶と椅子が浴室入り口にあるっす。これを持ってカランの前に座るのだ。シャワーあるところはシャワー使ったり、無かったらカランの湯で綺麗にしよう。特に下半身ね。浴槽の湯はみんなのものだから、キープクリーンが基本っす。

後は好きにすればいいんだけど、基本は「他の人たちも楽しめるように入浴」っす。これさえ守れば何でもOKっす。細かいことは最後に書いておこう。

入浴中、フロ道具はカランの前に置いておけばOKだけど、混んできたらちょっとずらしておくとかの気配りも…って、いまどきカランが埋まる銭湯なんて滅多に見ないけどね。あと、カギは身につけておくのが基本っす。ドロボーはどこにでもいるのだ。

カノジョとの待ち合わせとかで、時間が気になる人、だいたい浴室から見える位置(おおかたは男女の境目)に時計があるっす。が、銭湯の時計は多少狂っていることが多いので、「入った時間から何分たったか」で見ておこうっす。

銭湯の第一のチェックポイントは、やっぱり壁画かなあ。昭和浴場のような見事な富士山から、何もないところまで。宮下湯のように阿波踊りの絵とか、ユニークな壁画もあるんで、やっぱり入りくらべると楽しいものっす。

お湯の温度も銭湯によってまちまち。熱いところは多少の埋め水も悪いことではないんだけど、蛇口近くだけにしとこうっす。浅風呂と深風呂の両方あるところは、深い方は「高温用」にしてあるところが多いんで、浅風呂の方を埋めるのがマナーっす。また、出しっぱなしにするなよ!オレは熱い湯が好きなんだ〜!

締め

さて、いい気分だった。そろそろ上がろうか…が、脱衣場に上がる前に体の水気をぬぐっておこうっす。脱衣場に水をポタポタ落とすのはいかにもトーシロでダサいっす。ってあっしもビギナーのころやったことあるが…

ドライヤーはだいたい20円で備え付けてあるっす。マッサージ機なんかも20円〜100円で使えるところが多いっす。あとは体重計でチェック〜!

あと、銭湯の王道!お風呂ドリンク!これは店によって置いてあるものはまちまち。これも実は銭湯通の間でのチェックポイントであるっす。脱衣場に置いてあるところ、フロントにあるところ、両方にあるところ、ビールも置いてあるところ…が、やっぱり腰に手を当ててビン入り牛乳を一気のみするのは基本ではなかろうか?が、残念ながら最近ではビン入り牛乳置いてあるところ少ないんすよねえ。

最近は飲食設備、下手したら宴会場まで備えてる銭湯もけっこうあるっす。こういうところは常連ばっかりでちょっと気後れするかもしれないけど、遠慮することないのだ、最初は誰でもビギナーだ!

その他のマナー

あっしが思いつくのだと、こんなもんかなあ。他の人にメーワクかけないが基本っす。


浴場組合公式マナー書(テルメ末広にて)


風呂の入り方

これは単にあっしの場合こうだ、っつーのを書いておくっす。参考にね。


銭湯楽しめたっすかねえ。ハマったら、各地の銭湯入りくらべてみようっす。銭湯マニアの第一歩は、いつもと違う銭湯に入ってみることっす。家の近くでも、ちょっと離れたところでも。帰宅路にも、調べてみると銭湯がきっとあるぞ。

それぞれの銭湯の微妙な違いを楽しめるようになってきたら、アナタも立派な銭湯おたく。2000湯入って「名湯会」入りを目指そう!