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Review: 『いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年』 @ 横浜美術館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2026/01/18
Art between Japan and Korea since 1945
横浜美術館
2025/12/06-2026/03/22 (木休;12/29-1/3休), 10:00-18:00.

韓国の국립현대미술관 [国立現代美術館] との共同で企画された、第二次世界大戦後の日本と韓国の美術分野での交流に焦点を当てた展覧会です。 終戦後 (1946) から国交正常化 (1965) の間は当時の在日コリアンの作家もしくはこの時代をテーマとした作品を、 国交正常化前後から韓国の民主化 (1987) にかけては、 Nam June Paik [白 南準] の活動を日本との関わりの観点からと、 李 禹煥 [Lee Ufan] [感想メモ] が架け橋となった日本のもの派と韓国の作家の交流を取り上げていました。 民主化後の交流としては日韓で開催した 中村 政人 と 村上 隆 による『中村と村上展』 (1992) に焦点を当てていました。 最後は主に21世紀に入ってからの作家、作品を紹介していました。

ある程度予想していましたが、国交正常化前後から韓国の民主化にかけての展示が充実していました。 特に、李 禹煥 を通した交流した韓国のアートについては 『単色のリズム 韓国の抽象』 (東京オペラシティアートギャラリー, 2017) [鑑賞メモ] で観たものよりも、多様性に富んでいました (撮影可の作品が『単色のリズム 韓国の抽象』的な作品だったのが残念)。

その一方で、民主化直後の1990年代の交流が『中村と村上展』に絞られていたのは意外でした。 自分の記憶にあるものだけでも、 『亜細亜散歩』 (資生堂ギャラリー, 1994/1997/2001) [鑑賞メモ]、 『幸福幻想 ─ アジアの現代美術作家たち』 (国際交流フォーラム, 1995)、 そして、『火の起源と神話 - 日中韓のニューアート』 (埼玉県立近代美術館, 1996) や『90年代の韓国美術から-等身大の物語』 (東京国立近代美術館, 1996) [鑑賞メモ]など、 当時は、日韓というより日中韓(台)/アジアという枠組みが多かったように思いますが、その現代美術を紹介する展覧会が度々開催されていたので、他にもあったのではないかと。 日韓の2国間関係ではなかったから、韓国で並行する動きが無かったから、作家レベルでの交流に基づくものではなかったから、等を推測したのですが、その理由が気になりました。

この展覧会は2025年2月の全館オープン以来 約1年間開催されている一連のリニューアル記念展の最後の展覧会です。 リニューアル後、『第8回 横浜トリエンナーレ』 (2024) [鑑賞メモ] で一度足を運んでいますが、全館オープン後初めて足を運びました。 ミュージアムカフェがどうなったのか気になっていたので、偵察がてら入ってみました。 以前の三本珈琲によるCafe小倉山に代わって、馬車道十番館が入っていました。 アルコール類がなくなりメニューが縮小されましたが、個々のフードやスイーツのレベルはほぼ維持。 カウンター・下膳口、厨房も変更されましたが場所や雰囲気もほぼ維持されていたでしょうか。