私の読んだ本 2006
by A.Tomiya (2006/10/10改訂)
カッコ [ ] 内の日付は私が読んだ日付です.(発行日にあらず!)
白星(☆)の数は独断と偏見によるお勧め度(目安:☆☆☆以上はお勧め).
逆に黒星(★)はお勧めしないことを意味.(某雑誌の映画評に準拠しております.)
言いたい放題に個人的感想を書いております.
気分を害された方(例えば著者の方:-))がいらっしゃればお詫びいたします.(_o_)
なお,2005年12月以前についてはこちらをご覧下さい.
目次
1.読み物
「マンションの地震対策」
「ゲーム脳の恐怖」
「本気で言いたいことがある」
「ラクして成果が上がる理系的仕事術」
「新しいアトピー治療 −誤った治療に振り回されないために」
「巨大地震の日」
「なぜ「耐震偽装問題」は起きるのか」
2.小説
「そして五人がいなくなる」
「盤上の敵」
「街の灯」
「ダ・ヴィンチ・コード」
「ノーライフキング」
「小説「聖書」新約編」
「マグマ 〜小説 国際エネルギー戦争」
「黒いハンカチ」
「ルパンの消息」
1.読み物
- 「マンションの地震対策」☆☆
藤木良明 著(岩波新書)[2006/10/10]
マンションの耐震診断・耐震補強や,地震で被災したマンションの復興などについて,多くの事例を交えて紹介している.
特に,兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で被災したマンションが建替えか補修かの難しい判断を迫られた事例(そのいくつかは裁判にもなった)については,全てのマンションの住民や管理組合が参考とすべきものであろう.
被災マンションに対するこれまでの行政の助成等は,取壊し&建替えには手厚く,補修には冷たかった.このため,補修で十分対応できたのに,取壊し&建替えに走った被災マンションも多かったという.
しかし,補修とは異なり建替えには様々な障害もあることも考慮に入れ,安易に建替えに走らず,冷静に判断すべきであると説いている.
日本は今後も大震災に繰り返し見舞われることは間違いない.その度にマンションの建替え/補修を巡るトラブルが続出しないよう,行政は今から制度を整えておく必要があるだろう.
- 「ゲーム脳の恐怖」☆☆
森 昭雄 著(NHK出版 生活人新書)[2006/8/4]
子供時代にテレビゲームばかりしていると,痴呆患者によく似た「ゲーム脳」になってしまうぞ,という驚くべき警告を発した書(2002年刊行).
ゲーム脳とは,脳波(α波,β波,θ波など)のうちβ波が低く,脳の前頭前野の活動が低下した状態に対して森氏が定義した造語.人間らしい意思決定ができず,動物的な攻撃本能がむき出しになったり,忘れっぽくなったりするのだという.もし本当であれば大変なことである.
またテレビゲームは,反射神経を鍛えることもなければ集中力を高めもしない,ということだ.まさに百害あって一利無し(目も悪くなるし,外遊びや勉強の時間も奪うし,お金もかかるし :-) ).
これを読んだら,自分の子供には絶対テレビゲームを買いたくなくなるだろう.
ただ,本書を読んでいていろいろと引っかかるところも多い.
まずデータが不十分であり,解釈にも恣意的なところがある.また,被験者について著者の主観的な評価が下されているが,これはあまりフェアとは言えないだろう.
更に,全体としてどうも読みづらい.脳に関する詳しい説明がしばしば出てくるのだが,話を難しくしているだけであまり効果的とは思えない.自説の薄弱さを誤魔化そうとしているだけでは,と穿った見方もしたくなる.
本書はその内容によって世間に大きな影響を与えた一方,批判的な意見も多いようだが,テレビゲームと脳の関係に切り込んだという点は功績であろう.この問題は,もう少し科学的に厳密に検証していくべきと考える.
- 「本気で言いたいことがある」☆☆
さだまさし 著(新潮新書)[2006/7/24]
日本という国の行く末について,平和について,これまで真剣に考え続けていた著者(その考えの一部は唄にもなっている)が,「今のままで本当に良いのか?」と世の中に問うている書.
発行2ヶ月でもう10刷になっていて驚いた.
最近,この手の本(日本について語った本)が売れているようだが,その中の1冊と位置づけられるのだろうか.
本書の中では,家族,子育て,教育,コミュニケーション,など様々なテーマが語られる.
多くは,互いを思いやる(相手のことを考える),ということで解決するように思える.
最近の若者・子供の問題はその親の世代に原因があること,
自衛隊を海外(イラク)へ派兵したことは国外の戦争(主にアメリカが引き起こすもの)への参戦と将来の徴兵制度へと続く道であること,
ナバホ族(アメリカ先住民族)に伝わる言葉「地球環境は子孫から借りているものである」,
などが印象に残った.
本書で書かれているようなことについて皆がちゃんと考えていれば,それだけで世の中は良くなっていくように思う.
ただ実際には,「そんな暇あるか!」「考えるなんてダル〜い」「オレさえ良けりゃいいんだ」という者が目立つのが今の世の現実.
せめて今の親の世代は,自分の子供をそんな者へと育てないようにしたいものだ.
- 「ラクして成果が上がる理系的仕事術」☆☆
鎌田浩毅 著(PHP新書)[2006/7/18]
いかにラクして効率的に「アウトプット」(成果物)を出すか,そのための様々なアドバイスが,簡潔・平易な文で書かれている.
「理系的」と銘打っているが,その実践には理数系の知識などいらない.
要は,目的(アウトプット)に向かっていかに割り切って合理的に物事を進めていくか,ということであろう.そのために著者は「一望法」「棚上げ法」「ひと言法」など16個の技を紹介している.
本書は,梅棹忠夫(知的生産の技術)・野口悠紀雄(「超」○○法)・立花隆(「知」のソフトウェア)・齋藤孝(原稿用紙10枚を書く力,他)などの先駆者たちの知見をまとめなおしたもの(本文p.186)であるが,著者がそれら知見をうまくピックアップして味付けしてくれているおかげで消化しやすいものになっており,読み終えてすぐに実行に移すことができるだろう.
- 「新しいアトピー治療 −誤った治療に振り回されないために」☆☆
西岡 清 著(講談社ブルーバックス)[2006/5/11]
アトピー治療に関しては,怪しげな民間療法や俗説が相変わらず無くならないため,多くの患者が肉体的・精神的・金銭的被害を受けている.
そうした被害に遭わないために,本書のような解説本は必要だ.
類書はたくさん出ているが,私がこの本で一番興味深かったのは,4-1章「アトピー性皮膚炎準備群の生活習慣」である.特に,シャンプー,リンス,石鹸,洗剤が,皮膚症状悪化要因の主犯であるというデータは印象的だった.刺激としては弱くても,毎日積み重ねると大きなダメージになっていたのである.
私も,皮膚科の先生に言われて石鹸類を弱酸性のものに切り替えたとたん,皮膚症状が劇的に改善した経験があった.日々の石鹸・洗剤類の選択は重要である.
- 「巨大地震の日」☆☆
高嶋哲夫 著(集英社新書)[2006/4/19]
あの震災小説「M8(エムエイト)」を執筆した著者(阪神・淡路大震災の被災者でもある)が,巨大地震について,何が起き得るか,何をすべきか,を問うている.
全編を覆うのは,政府・中央への不信感のように思える.
まず,東京都や中央防災会議(内閣府)が公表している被害予測の試算は甘すぎる,と糾弾.試算では考慮されなかった様々な災害を,小説家ならではの想像力と文章力で列挙していき,被害はもっと膨らむだろうとしている.読んでいて実に恐ろしい気分になってくる,
防災対策についても,結局は自分の身は自分で守るしかない,ということになる.これはその通りだろう.そのために,“小学生の頃からの学習で,自然災害の恐ろしさを知り,同時に正しい知識を持つ。自分たちの住んでいる国土の真の姿を知ることが大切だ。”(本文p.170)と書いている.つまり,地学教育の大切さを説いているわけであり,私も同感だが,世の中は地学軽視の風潮(偏った受験教育の弊害)であり,これは憂慮すべきことである.
個人的に興味深く読んだのは,第6章「政府が行なっていること」である.ここでは,地震等災害対策に関わる組織・委員会がいかに乱立していて非効率的かを記している.
著者は,「中央防災会議」「地震調査研究推進本部」「地震防災対策強化地域判定会」「地震予知連絡会」「地震予知研究協議会」と列挙し,“これらの組織がどう違い,どう絡み合っているかを理解している国民はどれだけいるだろうか”(本文p.173)と問う(それぞれ,内閣府,文科省,気象庁,国土地理院,東大地震研,が所掌・設置しているものである).私も「地震調査研究推進本部」関係の会議に出席したり「中央防災会議」に提出する書類の作成に関わったりしたことがあるが,正直言ってこれらの組織の違い・関係を正確に理解するのは難しかった.もちろんそれぞれの組織にはそれぞれの存在意義や歴史的経緯があるのは分かるが,著者の言うように,縦割り式ではない一元的で強力な自然災害対策組織を設置することも検討すべきかもしれない.
- 「なぜ「耐震偽装問題」は起きるのか」☆☆☆
長嶋 修 著(講談社+α新書)[2006/1/16]
不動産業界の現実に疑問を呈し,人と不動産とのあるべき関係を「住宅購入学入門 いま,何を買わないか」などの書で問うてきた著者が,昨秋の「耐震偽装問題」を受けて緊急出版した書.便乗本というよりは,著者が居ても立ってもいられず出版したものであろう.
本書は,姉歯氏の耐震偽装事件にとどまらず,現在の不動産業界を取り巻く構造欠陥を指摘し,皆の意識転換を図ることを目指して書かれたものだ.
「良いもの」ではなく「売れるもの」を作ることに走ってしまった業界,「良いもの」とは何かに無頓着で「見てくれ」に目を奪われてしまった消費者.そして厳しいコスト削減競争の中で,「見てくれ」には関わらないが本来大切な部分(耐震性など)のコストがカットされていく…….
これは何も不動産に限った問題ではない.日本社会全体の歪みの1つの現れにすぎない.
こうした現実を打破するには,各人が「志」(こころざし)を高く持つしかない,という.
「志」は,ここ20年ほどで日本が急速に無くしていったものの1つかもしれない.いつの間にか日本は,金さえあれば何でも出来ると放言する者をちやほやするような社会になってしまったのだから.
なお,本書の内容は,著者が日頃ホームページ(さくら事務所)の日記などに書いて来たことを膨らませたものと言ってよい.興味を持った方は,まずこのホームページにアクセスしてみると良いだろう.
2.小説
- 「そして五人がいなくなる」☆☆☆
はやみねかおる 著(講談社文庫)[2006/7/21]
自称「名探偵」の夢水清志郎が難事件に挑むさまを,中学1年のヒロイン(たち)の目を通して描く,児童文学の人気シリーズ「名探偵夢水清志郎事件ノート」の第1作.
本作では,巨大アミューズメントパークで子供たちが次々と消えてしまう事件を,夢水清志郎が鮮やかに「解決」する.
「名探偵」のとぼけたキャラクターや,「トリプルアクセル・フリーフォール・ダブルループコースター」のような馬鹿馬鹿しい設定(褒め言葉)で笑わせる一方で,ミステリの部分もしっかり作られていて,確かに“子供たちだけのものではありません”(宮部みゆき談)という内容になっている.
読後感も良く,誰にでも安心してお勧めできる.
巻末には,宮部みゆき・田中芳樹・北村薫ら人気作家からの応援メッセージ付き.
- 「盤上の敵」☆☆☆
北村 薫 著(講談社ノベルス)[2006/6/23]
自宅が殺人犯の立てこもりに遭ってしまった主人公がどのようにこの状況に対峙するか,というのが基本的なストーリーである.しかし,戦争や民族対立なども含め,広く人間の中に住む「魔」について描かれており,(作者も述べているように)読むには一定の覚悟が必要.
途中つらくなるかもしれないがぜひ最後まで読んでみてほしい.決して後悔はしないと思う.
読み終えてみると,まさに北村魔術,そう思える一品である.
なお,北村薫作品をこれから読もうと考えている方は,本書ではなくまず「空飛ぶ馬」(「円紫さんと私」シリーズ)から読み始めることをお勧めする.
- 「街の灯」☆☆
北村 薫 著(文春文庫)[2006/6/9]
新しく始まった「わたしのベッキー」シリーズの第1弾.
本シリーズは,昭和初期の上流階級を舞台に,十代半ばのお嬢さん(わたし)の視点で日常の謎を綴るミステリ集であり,名作「円紫さんと私」シリーズと「覆面作家」シリーズを掛け合わせたような作品世界である.
お嬢さんを送り迎えする女性ドライバーのベッキーさんが,本シリーズを特徴づけるキャラクターと言えるが,ベッキーさんが名探偵役を務めるわけでもない.強いて言えば,某有名作家の人気シリーズの三毛猫の役割くらいであろうか :-) .
ベッキーさんはなかなか秀逸なキャラクターなので,もっと活躍してもらっても良いように思う.
本書には「虚栄の市」「銀座八丁」「街の灯」の3つの中編が収められている.
昭和初期ということで世相は不穏であるが,上流階級のお嬢さんの暮らしぶりはそれとはあまり関係ない.この対比には,現代にも通じるある種の毒を感じた.
- 「ダ・ヴィンチ・コード」(ヴィジュアル愛蔵版)☆☆
ダン・ブラウン 著,越前敏弥訳(角川書店)[2006/5/26]
映画化もされ一大ブームにもなった本書.内容については説明不要であろう.
秘密結社やら陰謀やらキリストにまつわる異説やら,そのまま信じたら物笑いの種であるが,あくまでフィクションと割り切って読めば,非常におもしろいエンターテインメント小説と言える.
なお,本書を読んだからには,(まだの方は)一度は正統派の聖書にも触れてみることをお勧めする.
ヴィジュアル愛蔵版は,作中に登場する美術作品など140点の写真や図がフルカラーで掲載されていて,非常に美しい.歴史ある建造物や宗教的なグッズの写真は,普段あまり触れることもないため,見ているだけでも楽しい.ただし,重たいので毎日持ち歩くと肩が凝るのが難点である.
- 「ノーライフキング」☆
いとうせいこう 著(新潮文庫)[2006/5/3]
「ライフキング」なるコンピュータゲームソフト(アクション・ロールプレイング・ゲーム)とそれにまつわる噂話に取り憑かれた子供たちの狂気を描く,というとやや大げさな表現か.
読み終えてみて,正直ピンと来なかった.
子供たちがゲームやネットワークにハマりこんでいくと,こんなムーブメントが起こりうるかもしれない,と思わせる内容ではあるが,実際には今の子供たちにそんなエネルギーは無いような気がする.
- 「小説「聖書」新約編」☆☆
ウォルター・ワンゲリン著/仲村明子訳(徳間書店)[2006/4/9]
新約聖書の内容を,一貫したストーリーを持つ「小説」に仕立て上げてしまったのが本書[「小説「聖書」旧約篇」の姉妹編].
特に,各キャラクター(キリストの弟子など)がいきいきと描写されている点が秀逸で,キリストにまつわる物語を非常に人間味あふれるものとして読むことができる.
聖書は,西洋文化を理解したければ一度は読むべきだが,様々な理由から通読するのが難しい.その点,本書は全体の構成がよく考えられているために,聖書の初心者でも通読できる.これまで聖書を読みたいと思いつつ挫折していた方には特にお勧め.
ただし,本書はあくまでワンゲリンの創作による小説という側面があることには注意が必要.
できれば,4つの福音書(マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネ)くらいは新共同訳などの正統派で読んでおくことをお勧めする.
- 「マグマ 〜小説 国際エネルギー戦争」☆☆☆
真山 仁 著(朝日新聞社)[2006/3/6]
日本は世界有数の火山国であり,膨大な熱エネルギーを持つマグマが地下で蠢いている.
こうした熱エネルギーを利用して発電するのが「地熱発電」であり,本書は地熱発電をテーマにした小説である.
主人公は,企業買収を生業とする外資系ファンド(いわゆるハゲタカ)から買収先の地熱発電開発会社の社長として派遣されたやり手の女性.
これに,地熱発電開発会社の人々,地元の温泉業界,さらには電力会社,政治家,などが絡み,日本のエネルギー政策の将来を左右するドラマが展開する.
地熱は日本では有望な自然エネルギーであるにも関わらず,それによる発電量は総発電量の0.2%に過ぎない.
その理由は,本書でも挙げているように,有力な地熱エリアは国立公園内にあるため開発を禁止されていること,地元の温泉街との兼ね合いが難しいこと,リードタイムが長過ぎて投資に向かないこと,にも関わらず政府の助成対象となる「新エネルギー」からは地熱が外されていること,などである.
著者は更に,地熱発電停滞の最大の理由は“電力会社が,原発という神の火を手に入れたことで,後戻りできなくなったから”(p.98)とし,前述の理由とともに,「日本の地熱開発を阻んでいる三悪」(p.225)は環境省・温泉組合・電力会社だと告発する.
本書では,上述の諸問題に一定の解決策を与えており,読んでいくうちに地熱発電の将来が明るくなってくるように思えてくる.
現在の主力エネルギーである石油も原子力も,将来は決して明るくないうえ,日本ではほとんど取れない資源である.我が国に豊富に存在する地熱エネルギーについて,もっと真剣に取り組むべきではないだろうか.
本書には,日本地熱学会も強い興味を示しており,学会誌に書評も掲載されている(日本地熱学会誌 第28巻第1号,2006年1月).
- 「黒いハンカチ」☆☆
小沼 丹 著(創元推理文庫)[2006/1/12]
女学院の女教師ニシ・アズマが,身近に遭遇した様々な事件を鮮やかに推理・解決する,という趣向の連作短編ミステリ集.
本書は2003年刊であるが,もともと1957〜58年に雑誌連載されたものなので,半世紀も昔に書かれた作品ということになる.しかし,今でもほとんど違和感無く読むことができる.
全12話のうち,「指輪」「黒いハンカチ」の2話は,北村薫編のアンソロジー「謎のギャラリー 謎の部屋」(新潮文庫)に収録されている.私も含め,そこで初めて小沼丹を知ったという人は多いだろう.
北村薫にどこか作風が似ており,北村作品を好んで読む方は,本書「黒いハンカチ」もきっとお気に召すのではないだろうか.
- 「ルパンの消息」☆☆☆
横山秀夫 著(光文社カッパノベルス)[2006/1/26]
自殺とされていた女性教師の死が実は殺人事件だった,とのタレコミが警察に入る.
しかも事件は15年前のことであり,時効成立までわずか24時間!
事件には,当時の在校生3人が実行した「ルパン作戦」なる窃盗計画が絡んでいるらしい.
果たして真相は? 時効成立までに犯人は検挙できるのか?
巧みな構成とキャラクター描写,様々な伏線,証言を得るほど深まる謎,解けそうで解けない全容,そして「三億円事件」…….ミステリとして実に素晴らしい出来でありお勧め.
これほどの作品が15年も出版されずに眠っていたとは謎である(本作は横山氏の幻のデビュー作であった).
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Created:Jan,13,2006