短歌会 フランシーヌの場合
HAPPY TANKA BALLOON
3月15日〜 1997年
西●厳寒に高層クレーン屹立す雪よ降りつめ風吹くなかれ
中●いつ降るか もう降らぬか 東京の 梅春越えて 雪を拝まず
宮●停車場に 積もる音鳴る ボタン雪 君よ眠れ 旅の身の夜
西●髪結いの戸を後ろ手に閉めにけりはさみ剃刀皮膚はや疼きて
中●あっけない 葉書を寄せる 遠き友 はさみを持ちて プリクラを切る
宮●行きつけの はさみあやつる 腕前に キル音うれし 刃金のかおり
西●マクドともマックともいふ呼称持つメリケン波止場に恋は咲くにや
中●タケノコの ごとくのびたり ハンバーガー どこへ行っても マクドのお店
宮●夜もふけ マクドに集う 人の影 頬張るまずさ 厭いもせず
西●陽遠く昼下がり前の交差点見えぬ花粉に空膨張す
中●ゆったりと ひかりの中を 花粉舞う 数え尽くせぬ いのちの根となり
宮● 暖かい 今朝は特にと 君うらむ 春の兆しと 花粉症
西●犬会議早朝開かる公園に人亡き後の世界を憩ふ
西●日傘さす君の公園果てる先原色乱れて生を謳歌す
中●冬の間(ま)に 何を思うか 公園の 桜忘れじ 春の一吹き
中●公園の さえずる鳥は 亀に聞く 長い眠りの 夢のひとひら
宮● 日傘さす 君佇みて 眺む先 水辺に流る 公園の時
西●季節なく電脳の恋華やげよ迷ふ暇なく痺れていたし
中●デジタルの 愛のささやき 昼夜なく 電脳の恋 千里を駆ける
宮●まなざしに 頷きあいて シビレツツ 電脳の恋 とはいうものの
西●物語紡ぎはじめは峠より悲哀と活劇いずれも愛し
中●峠にて 氷りし髪を もてあそぶ 朝日に照りし 雪山の朝
宮●われ歩む 峠々で 手を翳し 蒼き景色に 心静める
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