短歌会 フランシーヌの場合
HAPPY TANKA BALLOON
3月22日〜 1997年
君知るか 影なき鳥の 声響き ビルの谷間に 小雨そぼ降る
西●揺れ動く乱れた頭の内なるは筆者も判らぬ抽象画とや
山●陽炎の 我が春なりと ウサギ跳ね 抽象画 とも見えし跡
宮● 垣間見た 抽象画 蘇る 記憶の襞に リアルでもなく
西●暮れかかる旧い街区に灯は弱く小雨の呟き己膜を叩く
中●ふて寝する 小雨の朝よ 我が憩いベースボールも 流しけりぬる
宮●君知るか 影なき鳥の 声響き ビルの谷間に 小雨そぼ降る
西●つばくらめ雄飛の空を見上ぐれば蒼に染まりて花霞誘ふ
山●眠たげな まぶた開いて 見上げれば 花霞かな わが脳天
宮●朝風呂の 窓の向こうの 花霞 うとうと眺む たゆたふ湯気宮
西●土手の春修羅の群の幻よ我が全身を目にして汚る
中●空の果て 修羅の巷 一休み 眠たきまぶた また閉じる日々
宮★生き物は 修羅のつながり とうとうと 時をも止める 君の表情
西●春眠や布団を叩く音はあり乾きも伝う世界の中心
山●この世とは 夢と現夢の 行き来なり さらに極めむ 春眠の道
宮●春眠を する場所求め 西東 薫る微風(ソヨカゼ) 木漏れ日に遊ぶ
西●おぼろ雨正気も霞む花冷えや紳士の遊び数へて歩く
山●花冷えに 春のためいき 一息の 小雨聞きつつ 身を細めつ
宮●天気雨 光る水滴 緩む気に 冬が過ぎ行く 花冷えのころ
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