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短歌会 フランシーヌの会
HAPPY TANKA BALLOON

5月6日〜 1997年

■カラオケで詠える

西●ヘルシーで本格的なベトナムを愉しんだ後のカラオケルーム

山●あの曲を 夜空の下で 教えてと 歌い忘れた 君がねだる日

宮● カラオケで LA LA LA LOVE SONG 二回目と 咎める我に だって好きなんだもん

ひ●カラオケと 問われ浮かぶは ムシムシQ おけらの歌ぞ カラオケラーと



■冥利

西●冥加とて茗荷・生姜を食いおるも吾れにし冥利神妙にせよ

山●耳たおし なぜる我が手の まどろみに 身を投げだすは 冥利なウサギ

宮● 新人に 好きなものはと 尋ねられ 男冥利と 口には出さず

ひ●音流し 光を追って 文字刻む 時に散りばめ 日々夢想冥利



■父親参観

西●ビデオ顔カメラカメラ手 ビデオ顔パパはここだ あ!父親参観

山●振り返る 我が子に前を 向けと言う 汗をふきふき 父親参観

宮● 手を上げる 小さな肩に びびりつつ 答え呑み込む 父親参観

ひ●聞きなれぬ 父親参観 出向けとや 地図を見やりて どこの寺へか



■神社

西●八十万(やそろず)の神祀りたる國なれば君の阿吽を抱きて神社

宮● 神社にて 置き去りしもの 鈴なりに 空覆う森 護る狛犬

山●神社にて カラスと闘う 掃除夫の 来しかた行く末 語らふを聞く
山●神社にて カラス、一線 我が頭 叩いて一線 飛び去る一瞬

ひ●柏手と 願いと涙 伝え聞く 神社の音は 高き空へと


【憲昭皇太后御歌】鳥越神社の社の柱に画用紙にしたためられた句がありました。(ひた)
栄えゆく 御代のすがた 御鏡に うつしてもなを 神守るらむ



■結晶

西●オパールへ変化(へんげ)を遂げる貝殻を水に沈めて結晶の時

山●ビーカーに 硫酸銅の 結晶の 蒼き光りが 満ち満ちるとき 
山●結晶の ひとたび結ぶ ことあれば 見えぬ輪を経て 宇宙をめぐる

宮● 結晶に 力と時を 尋ねれど 残響まとい ただあるのみ

ひ●明礬を 溶かして育てる 希硫酸 結晶紅く 恋追う心



■汗

西●果てしなき帝国夢に終わりなくフビライ汗とあり永久(とわ)の午後
西●健やかな風吹く今日は滑らかな汗ひとしずくのマウスワーク

山●太陽の 緑の飛沫(しぶき) はじけ散り 心洗わむ あふれる汗よ

宮● 我忘れ 髪の先まで 汗みずく 手に手をとりて 浴びるシャワー

ひ●黄に光る 黒き肌滴る 汗ダイヤ 向日葵見せる 夏呼ぶ暑さ



■雨雲

西●雨雲を抱きて走る怪僧になりて君の泥濘(ぬかるみ)深くす

山●暗闇に ステップ踏みつつ 雨雲が 舞い落とすは 水のドラマー

宮● 雨雲と 地を結びたる 水柱 虹をまといて 我に抱かれよ

ひ●頬をうち 髪をつたいて 耳奥へ 鼓膜を濡らし 雨雲を聴く



■風

西●スポークに蒼き手紙の渦巻きて 流れおりし日風草の中

山●赤道の さざめき残る 一陣の 風は我が身を いま、通りつつ

宮● 空高く 流れる雲に 胸騒ぎ 頬なぶる風を 深呼吸うー

ひ●風の里 子供の頃の 夢の里 すすきをゆらし 秋に留まる










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