短歌会 フランシーヌの会
HAPPY TANKA BALLOON
5月26日〜 1997年
黒●職人の 洗う両手を気にしつつ 光るこはだを 濃いむらさきにつけ
■雨足
西●近づける雨足騒ぐ午後四時は一方通行迷わず進む
山●雨足に耳よせ頬の濡れるとき一筋流れる水滴を吸う
宮● 衰えを 見せぬ雨足 めげもせず 君紅試す シュウ・ウエムラ
ひ●空隙に 眼球入れる 時が来て 眼差し遠く 夜の雨足
黒●ワンルーム とりこまれない 洗濯物 激しい雨音 消される二人
■橋
西●胸薄き少年の視線に橋渡し通路はやがて人にまみれる
山●橋渡る傘のあなたは遠くなるわたしに橋をかけることなく
宮● 橋なかば 川面にユラリ 月明かり 湛える目元 ただ見とれつつ
ひ●橋の下 風景深く 川流し 過ぎし日々にて 身を焼く夕日
黒●橋の下 むせかえる季節 香り河 夏もちかずく うちあげ花火
■【コオロギ でイック】
西●こほろぎや声はすれども何処にかブリキの玩具微かに動く
山●夕暮れに蒸気のごとくコオロギの響きを浴びて重ねる逢瀬
宮● 縁側の コオロギたちが 子守歌 かかる毛布に 狸寝入り
ひ●釜戸無き 今日この頃の コオロギは 水槽に居て ペットの餌か
■写真
西●鱗粉の宙に止まる写真館言祝ぐ家族立ちつくす明日よ
山●忘れたい捨てた写真のキレギレを忘れたくない手を手がおさえる
宮● 明滅す 記憶のひだに 瞳閉じ 写真伏せつつ 彩る残像
<ソマリアの女性を詠める アフリカの女性について>
南アフリカの黒人はコンゴあたりに住んでいたバンツー系の人たち
が先祖であり、胴長短足で、背もそんなに高くなく、鼻が低いのが
特徴です。ソマリアの黒人は、長足頭小の?系の黒人と、アラブ民
族の混血を通してできあがった民族です。南アフリカの黒人には、
愛敬のある美人はいますが、ナオミ風の美人はなかなかおらず、ソ
マリアは、それこそキョーレツです。
ひ●切れ切れの 街の眺めに 重ね見る 古き時代の 写真の地平
黒●思い出が つきることない 古い写真 白い縁より 遥か離れて
■<エールを送る 眼?>
西●眼を入れる自由を持った傀儡師よ草木の息も遊ぶ汝と
宮●眼差しに 剣秘めたる 瞳濡れ 一瞥放つ 螺旋のしなり
山●DEGITALの無限と交わる快楽がCG DOLLの眼にやどる時
■【午前7時 でイック】
西●シャンパンを青空に飛ばす午前7時夜の女王のアリア高らに
山●口あけて背をまるめては聞き流す午前7時のNHK
宮● 待ち合せ 御苑薫る 駅前で 午前7時に
ひ●七の音が 作る朝の日 手を濡らし 顔を冷やせど 醒めきらぬ夢
黒●朝7時 早く起きろの煙草より うつろな目覚ます ロッテの勝利
■リゾート
西●ゆっくりと羽根天蓋にまわる夜星と堕ちゆくラストリゾート
山●この世からチェックアウトのその前に誰かが歌うHOTEL CALIFORNIA
ひ●熟れた桃 もぎ手もおらず 野に落つる あの日の夢よ 荒れ地のリゾート
黒●青い空 遊び疲れて 旨いめし 文字にするだけ 落ち込む気持ち
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