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短歌会 フランシーヌの会
HAPPY TANKA BALLOON

5月1日〜14日 1998年



■連休

ひ●連休の空の模様に願うこと緩き日差しと鳥のさえずり

山●五月雨の部屋は静かな昼下がり 電話もなくて恋も連休

宮●虫の音が 網戸にせわし 節句の夜 連休忘れ 子に添い寝

西●連休の空高くして横臥せる小さきからだに寄りそいて昼



■節句

山●鯉のぼり曇り空へと消えてゆく 節句すぎては泳ぐ場所なく

宮●ひばり鳴く 端午の節句 晴れた空 子育て忘れ 君と菖蒲湯

西●マンションの高層階より降り来る鯉のぼりもつつましき節句

山●鯉のぼり曇り空へと消えてゆく 節句すぎては泳ぐ場所なく

ひ●節句の頃いつもこうだった静かな部屋窓の向こうに鯉のぼり居て



<題なし>

西●マンションの高層階より降り来る鯉のぼり泳ぐ洗濯林

<地図>

西●地図にない城があるらしい幾千年そを求めやまぬ騎士もあるとか

黒●蠅が舞う 地図を持たない 彼の旅 憤りの人 ドア開け放つ

山●ひとめぐり宇宙まるごと地図にして アンドロメダで馬鹿話でも

ひ●地図がいう変わりし街と過ぎし日々変わらぬままに迎える今日も

宮●地図もなく わかった気分で GPS 直線嫌う 4km/hour



<代表>

西●顔(かんばせ)は緋嚇しに似す光輝持て代表達の汗ぞ水無月

宮●君は俺 代表となり 祈りつつ 必然の果て 為す者となり

ひ●抜けた空日差しに花降り風そよぐ遥かに高く天使の代表

黒●代表と いう言葉あまり 好きじゃない ベストやトップと ちょっと違うし



<新聞>

宮●こうでなきゃ売れないものか?エロ・ページ捲る手すくむスポーツ新聞

ひ●爪を切る乾いた音で弾け飛ぶ新聞無き事不便に思う

西●「昨日の新聞って何か悲しい」と言う女に悲を教えたく

山●休刊日 新聞ひとつ ないだけで 朝の空気が薄い気がして



<池>

宮●縁側に 戸惑うふうな カエル居り 小さき池の 主と見受け

ひ●池さわぐ風の乱れは雨来るか流れる雲はとても厚くて

山●うなじ見る白きブラウス霞みあり小さき池に立つさざ波

西●池だった昨日の君と湖の今日の君とは同じ女で

黒●「昨日はね!あそことここも!」ギラッと目 池追いつめる ちっちゃい同心














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