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短歌会 フランシーヌの会
HAPPY TANKA BALLOON

8月1日〜20日 1998年



<かき氷>

宮●白玉だ 抹茶だ、あんこだ かき氷 揺れる暖簾が 俺を呼ぶぜーーーー

ひ●しゃわしゃわとかき氷降る防砂林クマゼミの声やむことはなし

黒●溶けきった かき氷ただ もてあます 君の口から 沈黙の別れ

泥■できたての かき氷には オヤジの手 上からギュッギュッと 押すのはヤメロ!

泥■かき氷 食べきれないし 喉も痛い 暑さでやられた 息子を冷やす

西●あの夏の日にかき氷ほうばりき夏の大きさにこめかみは震え

山●かき氷 崩す寂しさ嬉しさと一緒になった日陰の宴

8月5日 信濃町ビアガーデンにて、宴会。



<布団>

宮●空高き 日向のかほり 鼻かすめ 布団に重力 あずけ夢路へ

西●真夏日の重き布団に包まれて汗かいている今宵の夢よ

ひ●布団丸あいつはきっと布団丸夜な夜な濡れてやり場無き昼



<3時>

西●24時を歌った姫はいたけれど午前3時の歌はたそ詠む

山●半ズボン携帯片手にひそひそと午前3時のブランコ揺れる

宮●熱帯夜 きっとお前も こらえどき 午前3時の 寝返り一つ

ひ●耳起きるあちらこちらで音がする蝉が背を割る午前3時

黒●家中の 時計を進ませ ダダこねる おやつは3時と 誰が決めたの?

泥■3時間 かけて会いに行く それほどの 熱き情熱 遠距離恋愛



<左>

ひ●左へと唯左へと行く果ては時ぞ知りたる思索の果てか

宮●左手と 右手を合せ 音ひとつ これとあれとで 唯我が身なり

黒●「こっち側 歩いて」と言う 口癖で 君の左が 僕の指定席

泥■箸は右 ボールも右で 書くも右 でもマスターベーション なぜか左手

西●左手よ鏡に映る左手よどうして汝は右手なの?



<ぬいぐるみ>

宮●ぬいぐるみ ムックが一番 暑かろう しかし、ちゃっかり 脳天プロペラー

西●ぬいぐるみという何物か明らかに越えた何物か嗚呼テディベア

泥■友達が 告白できず 預かった ぬいぐるみが 捨てられなくて

ひ●それキッークいくぞパーンチ無情なり涙も出さずぬいぐるみ居る



<ビキニ>

山●繰り返し波にころがるビキニあり 砂をみやげにお尻につけて

宮●夏惜しみ 乙女がたたむ 超ビキニ 涼しき月に 捧ぐ鼻歌

ひ●紐ずらしオイル塗る手のマニキュアがビキニの下の肌に眩しく

西●温暖化ビキニ環礁にも及びビキニの女増え続く夏



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