自転車山旅派

秋の木曽・旧道巡り
[大平街道][中山道][神坂峠(古代東山道)

 


1998/11/7,8
使用自転車:700C スポルティーフ
使用タイヤ:700 x 32

☆行程☆
1日目
     妙琴公園駐車場−飯田市街
大平街道:飯田市街(大平街道・道標)−飯田峠−大平宿−大平峠(木曽峠)−妻籠
中山道 :妻籠−馬籠峠−馬籠

2日目
中山道 :馬籠−新茶屋−落合宿
東山道 :落合宿−川並−欅平−強清水−神坂峠−園原
     園原―妙琴公園駐車場

 ☆プロローグ
 最近のツーリングで同行する機会が多いK原氏は、信州百峠(郷土出版社/
監修:井出孫六,市川健夫)の峠をすべて踏破する事に執念を燃やしている。
今回の計画は、そんなK原氏が企画したツーリングである。コースは百峠中の
3峠が含まれる旧街道,古道を周回するものである。

 前日の夜中に集合して一路飯田に向かった我々は、ようやく見つけた車のデ
ポ地で仮眠を取り、朝7:00に起き出した。

☆妙琴公園駐車場−飯田市街
 各自食事を取り、自転車を組み立てて出発の用意が整ったのは8時を回って
いた。今回のメンバーは、このツーリングを計画したK原氏(ライジン ラン
ドナー)、山サイ仲間のK野氏(片岡シルク ランドナー),S木氏(スコッ
ト フルサスMTB)、今回初めてご一緒するS氏(ヒロセ ランドナー)、
そして私(スポルティーフ)の5人である。5台中4台がガード付きというラ
ンドーナーOFF(Nifty FCYCLO参照)の様なツーリングとなった。

 まずは、飯田市街にあるという大平街道の起点の道標を目指す。K原氏を先
頭に、公園駐車場から飯田市市街地に向けて走り出す。R153に出て、左折。
しばらくは交通量が多い国道を走る。やがて飯田市街へと入った。

 目指す道標はなかなか見つからなかった。先頭のK原氏を先頭に地図を見な
がら、右往左往すること15分程。広い商店街の中にそれはひっそりと立って
いた。道標は根元が大きな石で囲まれて、表面には「右 善光寺」と読める字
が刻まれている。もう一面の「左 ・・・」は判読ができなかった。ともあれ、
ここが木曽へ通じる大平街道の起点だった事には間違いなさそうである。いよ
いよ、ここから大平街道をたどるツーリングが始まる。

☆飯田市街〜飯田峠
 道は出だしから登り始める。ほぼまっすぐに松川ダムに向けて走っている。
途中のコンビニで今日の昼食を調達。これからしばらくは商店のたぐいは期待
できない。おにぎり類を買い込んで、再出発。松川沿いにゆるゆると登ってゆ
く。途中、りんご畑の中を通過。大きく実ったりんごが木いっぱいにぶら下が
っている。民家の軒先には、干し柿が見事に列を成して下がっていた。松川ダ
ムが近くなれば民家は無くなり、山沿いの道となる。天気はくもり空であるが、
雨が降る心配はなさそうである。

 ダムを過ぎると、川沿いの紅葉が奇麗になってきた。今年の紅葉は、北の方
では赤がくすんでいる印象だったが、こちらの方は鮮やかな赤がそこかしこに
山を染めていた。

 ふと気づくと、道沿いに番号がふってある観音様が一定間隔で現れるのに気
づく。後で調べると、飯田の大林と言う場所に1番観音があり、飯田峠の33
番観音まで続いているそうである。残念な事に一番観音は見逃してしまった。

 観音さまに見守られながら走ってゆくと、道はだんだん急になってきた。幾
つかのつづら折れをこなし走ってゆけば、大きな33番観音と案内板が立って
いる場所に着いた。ここから飯田峠は近い。とりあえずは、写真を一枚。もう
少しと峠に向かう。飯田峠は観音様から100m程先にあった。
 
 
33番観音

 峠は切り通し状になっていて、唐松の落ち葉が道の両側を黄色く埋めていた。
ここで写真を撮ったりしながら、小休止。峠の先には大平宿に降りる旧道が分
岐している。持ってきている自転車がMTBなら迷わず入っていくと思われる
いい道が下に続いていた。K原氏はできればここを下ってみようと考えていた
みたいだが、みんなの事を考えてあきらめたみたいである。
 
 
飯田峠

☆飯田峠〜大平宿
 峠を後にし、大平宿へと降りてゆく。あっと言う間に大平宿に到着した。道
の途中から旧道へ入り込む。旧道沿いには用水路が走り、古い民家が並ぶ。大
平宿は昭和45年に集団移住し、今は人が住んでいない集落である。飯田市に
ある「大平を守る会」により保存され、申し込めば宿泊もできるようである。
家と言うのは使わないとどんどん朽ちてゆくものなのか?。またここを尋ねて
宿泊してみるのもいいかもしれない。民家にはそれぞれ屋号が書いてあり、そ
の屋号で申し込むみたいである。旧道は唐松の落ち葉で黄色い絨毯のようにな
っており、その中に並ぶ民家は、さびしく、ひっそりと並んでいた。
 
 
大平宿

 旧道を後にもう少し登ってみれば、茶屋が開いていた。向の民家に洗濯物が
ある所をみると、ここの人が戻ってきて店を開いているのであろうか?ここで
五平餅を食べようということになり、昼食をかねて店に入ることにした。

 店の中では、おじいさんとおばあさん。そして、その知り合いらしき人がテ
ーブルを囲んで、談話中であった。早速、五平餅を注文しお茶を飲みながら昼
食用に持ってきたおにぎりをほお張る。しばらくして出てきた五平餅は団子の
ようであり、今まで知っていた小判型の物とはちょっと違っていた。木曽にお
じいさんがいるというS氏によれば、このあたりではみんなこんな形をしてい
るとのこと。ごまみそで味付けされた五平餅は素朴な味がしておいしかった。
 

☆大平宿〜妻籠
 結局、大平宿には1時間の長居をしてしまった。こんど来る時はあの民家の
一軒でいろりを囲みながらゆっくりしてみようと心に決めて、大平宿を後にし
た。ここから峠までは緩やかに登ってゆく。20分も走れば、大平(木曽)峠
に到着した。峠はトンネルで抜けているが、トンネルの天井は所々四角い穴が
開いていて、スノーシェイドの役目をしている様である。トンネルには「木曽
峠」の名が入り口の上に記されている。標高1358mの峠である。トンネル
は結構古いものらしく、周りの風景に溶け込んでいる。
 
 
大平(木曽)峠

 峠で恒例の写真撮影などをして小休止の後、木曽側へと降りる。曲がりくね
った道を爽快に飛ばせば、木曽見茶屋にでた。ここからは木曽方面の山並みが
よく見える。晴れていれば御嶽山も見えるらしいが、今日はあいにくのくもり
空でよく見えない。茶屋を後にどんどんと降りてゆけば、やがて集落の中に出
て、厳しい峠道も終わりを告げた。この後旧道を拾いながら、広瀬,蘭(あら
らぎ)などの集落を通過して、R256に合流。中山道の宿場、妻籠に着いた
のは14:20であった。途中の妻籠近くの橋場という場所には大平街道の起
点の道標があるのだがすっかり見落としてしまったようである。

 さて、ここからは中山道を辿るツーリングである。

コースタイム
 妙琴公園駐車場   8:16
 大平街道道標    8:55
 飯田峠      11:15
 大平宿      11:30−12:23
 大平峠      12:50−13:10
 妻籠       14:20


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