アムネスティ・インターナショナル国際事務局呼びかけ
緊急行動キャンペーン
 

URGENT ACTION: JAPAN
PUBLIC  AI Index: ASA 22/001/2002UA 74/02Fear of forcible return
12 March 2002JAPAN:At Least 19 Afghan asylum-seekers
 
国名:日本 ケース:強制送還の恐れ
対象者:少なくとも19人のアフガン人難民申請者


 
 
 日本の入管当局は、少なくとも19人のアフガン人をアフガニスタンに強制送還するつもりであるといわれている。送還された場合、彼らは拷問や迫害にさらされる危険がある。退去強制令書はすでにほぼ全員について発付されている。 
  
 19人の多くは、ハザラ人であるとされる。ハザラ人は、主にパシュトゥン人からなるターリバーン政権時に迫害されていた民族である。ターリバーン政権は崩壊したが、アムネスティは、彼らが強制送還された場合、重大な危険にさらされることを懸念している。 
  
 米国で起きた9月11日の同時多発攻撃以後、日本の入管当局は、難民としての庇護を求める多くのアフガン人の上陸を拒否している。また、すでに日本で生活しているアフガン人難民申請者に対して、日本政府は取り締まりを強化している。今回送還される恐れのある人のうちの9人は、9月11日の事件以前に難民申請を行っている。この9人のうち、9月17日、ウサマ・ビン=ラーデン氏の組織アル=カーイダと関係があるかどうかについて尋問を受けていた人も多い。彼らの収容は10月に恣意的におこなわれ、中には、家宅捜索を受けた人もいる。 
  
 この9人の難民申請は、全て11月に不認定となった。11月には5人が放免されたが12月に再収容された。 
  
 収容されている人のほとんどは心身の健康を害しているといわれ、その状態は収容の結果、ますます悪化しているようである。摂食障害に陥っている人が数名、また体重が激減している人もいるようである。 
  
 彼らの多くは、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターに収容されているが、国内の他の収容施設に収容されている申請者もいる。また、被収容者に対し、適切な医療措置を行っていないという報告がある。2月13日に倒れた被収容者がいたが、牛久収容所の職員はその日のうちに彼を病院へ連れていかなかった。彼はその後24時間の記憶が曖昧であり、歩行についても困難をきたしたため、10日以上にわたり車椅子を使用していた。また、伝えられたところによると、別の被収容者が吐血した時は、収容所職員は彼に、緊急ではないからすぐに医者に診てもらう必要はないと述べた。彼が医師の診断を受けることができたのは、それからおよそ3日後だったといわれている。少なくとも2人が自殺をはかったが、2人とも、発見された後、迅速かつ適切な医療措置を受けなかった。
 
背景情報
 
 2001年1月から11月までの間に新東京国際空港(成田空港)に到着した多数のアフガン人は、難民申請をする間もなくアフガニスタンへ送還されたという。到着後すぐに拘禁され、以来収容されている者もいる。この間、約77人のアフガン人が日本で難民申請をしたという。その多くはハザラ人である。日本政府が認定したのは、このうちのわずか3人だけである。 
 日本政府はノン・ルフールマンの原則を遵守する義務がある。これは、深刻な人権侵害を受ける危険のある国への送還を行ってはならないというものである。全ての国家にはこの原則の遵守義務があり、1951年難民の地位に関する条約(難民条約)第33条に基づき、無条件に守らなければならないものである。日本も難民条約に加入している。また、この原則は、拷問及びその他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰を禁止する条約(拷問等禁止条約)第3条に基づき、遵守しなければならないものである。日本は1999年にこの条約に加入している。
 
行動要請
  
  
<日本語で以下の要請文を至急送ってください>
 
(1)−日本政府が、少なくとも19人のアフガン人難民申請者を深刻な人権侵害を受ける恐れのあるアフガニスタンに退去強制手続を進めていることに対し、懸念を表明してください。
  
(2)−当局に対し、全てのアフガン人難民申請者に対する退去強制令を取り消し、国際慣習法の原則であるノン・ルフールマンの原則を遵守するよう要請してください。
  
(3)−難民申請が審理中の全てのアフガン人難民申請者の収容を解くよう、要請してください。
  
(4)−適切な医療を受けていない難民申請者がいるという情報に懸念を表明し、全てのアフガン人難民申請者の安全を確保するよう当局に要請してください。
 
<本ホームページによるサンプル・レターはここから>
  
送 付 先
  
森山真弓法務大臣 
 100-8977 
 東京都千代田区霞が関1-1-1 法務省 
 ファックス:03-3592-7008/03-5511-7200 
 メール: webmaster@moj.go.jp 
 書き出し:法務大臣殿 
  
川口順子外務大臣 
 105-8519 
 東京都港区芝公園2-11-1 
 住友不動産芝公園ビル12階 外務省 
 ファックス:03−6402−2551 
 書き出し:外務大臣殿
 
 
 
<解説>アムネスティの緊急行動とは?
 
 不当逮捕が行なわれている。拷問が行なわれている。囚人の健康が悪化している。死刑が執行されようとしている。大量逮捕が行なわれている。今すぐ救援しなければ生命が危ぶまれる。こんなときアムネスティ国際事務局は各国支部に対し、緊急行動(UA:アージェントアクション)を要請します。 
 事件発生後できるだけ早く、できるだけ多くのアピールを世界中から送ることによって、国際世論がその囚人のことに関心を持っていることを伝えるのです。 現在緊急行動は年間800件ほども行なわれています。緊急行動は次のような場合に行なわれます。 
 
  • 拷問、あるいは非人間的な取扱い。
  • 失踪:政府あるいは準軍事的組織によって逮捕、誘拐された後、当局が逮捕を認めず行方不明となるようなケースを言います。
  • 健康状態の悪化:囚人が悪い健康状態にあり緊急に医療を必要としている場合。
  • 公正な裁判の要請:不公正な裁判が行なわれようとしている時。
  • ハンガーストライキ:ハンストにより囚人の生命が危ぶまれる時。目的が公正な裁判、監獄の環境などに関する場合。
  • 死刑・・・死刑執行が迫っているとき。
  • その他:超法規的処刑・強制送還・大量逮捕
 アムネスティ・インターナショナル国際事務局(英国、ロンドン)では、調査員が毎日のように、いま現実に不当な取扱いを受けている「人権侵害の犠牲者」に関する情報を受け取っています。それらの情報は事務局によって十分吟味された後UAシートという事実関係などを説明した文書にまとめられます。 

UAシートには、 
(1)囚人が置かれている状況に関する具体的な情報 
(2)事件の背景説明 
(3)アムネスティ・インターナショナルが当局に対して要求している処置 
(4)UA参加者が手紙を書く時に参考にすることができる文例 
(5)拷問やその他の弾圧を止めさせるの権限を持つ当局の官吏への手紙の宛先  が含まれています。 
  

  • UAはメールまたはファックスで参加できます。詳しくは、アムネスティ・インターナショナル日本ホームページhttp://www.amnesty.or.jp/をご参照ください。
  • UAは登録制とさせていただいています。また、日本語版、英語版と選択していただくことができます。
  • UA登録を希望される方はアムネスティまでご連絡ください。
  • 電話:03-3203-1050
  • ファックス:03-3232-6775
 
 


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